クラフトビールの種類・一覧表!初心者におすすめな人気ビアスタイルを解説
こんばんは。「よなよなエール」のメーカー・ヤッホーブルーイングの醸造責任者「もーりー」(森田 正文)です。
普段何気なく飲んでいるビール。実はそのビールにも様々な種類があるんです。その数なんと150種類以上.....!
そこで今回はビールの種類について徹底解説! ビールの奥深さをもっと楽しんでみませんか?
解説する人:クラフトビールメーカー「ヤッホーブルーイング」 ビール醸造部門責任者
製造部門責任者・ブルワー(醸造士) 森田 正文
茨城大学大学院農学研究科で二条オオムギ(ビール麦)の研究で修士号取得。ヤッホーブルーイングで製造スタッフとして醸造業務、新製品開発、設備投資などを担当後、製造部門の責任者に就任。
そもそもビールの種類ってどうやって決まるの?ビアスタイルとは?
ビールの種類のことをビア(=ビール)スタイルと呼びます。ビールは「麦芽(モルト)」「ホップ」「酵母」「水」を主な原材料としてつくられますが、使う原材料や製造工程によって様々な種類に分けられるのです。
「どんな組み合わせで」「どんな醸造方法で」つくるのかでビアスタイルは細分化されます。
\原材料について詳しく知りたい方はこちら/
ビールの原料|4つの原材料の組み合わせで味わいが変わる!クラフトビールメーカーが解説
日本のビール文化
日本でビールが醸造されたのは、明治維新前後。世界的に見ると後発です。
1870年アメリカ人が現在の横浜市に「スプリングバレー・ブルワリー」を創設したのち、1872年日本人が初めてビールの醸造・販売を本格的に開始しました。
日本のビールの消費量は世界8位
キリンホールディングスの「2021年 世界主要国のビール消費量」によると 国別で中国が19年連続で1位。2位がアメリカ、6位がドイツ、日本は8位となっています。
消費量は多いのに、日本はビールの種類が少ないと聞くと首をかしげる人がいるかもしれません。実際に、コンビニにもスーパーにもたくさんのビールが並んでいますよね。しかし実際はほんの数種類に分類され、そしてそのほとんどが「ピルスナー」なんです。
ビアスタイルは、ビールの色やアロマ(嗅覚でとらえる香り)の特徴、使用する酵母や発祥の地などに基づいて細かく分類されます。それぞれのビールの味わいや楽しみ方を知れば、ビールは何倍にもおいしくなるんです! ビール好きの私たちは本気でそう思っています。
よく聞く「ラガービール」とは? ビールの種類は「ラガー」と「エール」に分類される
「ラガービール」「エールビール」ってよく聞きますよね。実はこれはビールづくりの発酵の違いで分類されているんです。
ビールのもとができたら、酵母をいれます。その酵母が「ラガー酵母」か「エール酵母」かによって、発酵の仕方がかわります。
ラガー酵母は下面発酵 し「ラガービール」に。エール酵母は上面発酵し、「エールビール」に。それぞれ詳しくご紹介します。
「ラガービール」とは
ラガービールとは、下面発酵で醸造されるビアスタイルの総称。 日本で流通しているビールの約99%である「ピルスナー」もラガービールの1つです。キレがよく、すっきりとしたのどごしが特徴です。
下面発酵とは
酵母がタンクの底に沈み下面で層を作る性質のラガー酵母を使用。5℃前後の低温で発酵し、期間は7〜10日と長く、その後約1か月間ゆっくり熟成させます。そのことから貯蔵を意味するドイツ語の「ラガー」と呼ばれています。雑菌が繁殖しにくく管理しやすいことから普及しました。
生ビールとは(ドラフトビールとは)
ラガービールには、熱による処理をしないビールと熱による処理をしたビールがあります。
居酒屋でよく言われる「とりあえず、生で」は熱による処理をしていないビールのことを指すのです。ドラフトビールも同義語として使われています。
現在、大手ビールがつくっているラガービールは「生ビール」が主流です。昔は、熱処理をして酵母の動きを止めたり、殺菌をしていました。しかし現在は熱処理ではなく、ろ過により酵母を除去できるようになりました。
「エールビール」とは
エールビールとは、上面発酵で醸造されるビアスタイルの総称です。実は、古代から伝わるビールのつくり方なんです。フルーティーで豊かな香りと深い味わいが特徴。ワインのように香りと味わいを楽しむビールです。ヤッホーブルーイングのビールはすべてこのエールビールになっています。
上面発酵とは
酵母が麦汁の表面に浮き上がっていく性質のエール酵母を使用。15~20℃で発酵し、発酵期間は3〜4日と短く、その後の熟成期間は約2週間です。
図で解説!ビールの種類一覧表
ここでは、ビールの種類を一覧表を図でご紹介します!
ほとんどのビールは、ラガーとエールに分かれます!そして、それぞれの派生によってビアスタイルが決まっていくのです。
ラガービールの種類(ビアスタイル)
ラガーは主に下記の4つに分かれます!
ピルスナー/ジャーマンラガー/アメリカンラガー/ヨーロピアンラガー
エールビールの種類(ビアスタイル)
エールビールは主に下記の5種類に分かれます!
ペールエール/スタウト・ポーター/ジャーマンエール/ベルジャン・フレンチエール/ランビック/ブラウンエール/アイリッシュエール
そのなかでも王道なのは、ペールエールです。よく聞く「IPA(インディアペールエール)」もこの中の1種類。IPAは、インドの青鬼のビアスタイルです。他にもよなよなエールのビアスタイル「アメリカンペールエール」や、ホップを大量に使用するストロングペールエールなどがあります。
ぜひいろいろなエールビールを飲み比べてみてください。
これだけは押さえておきたい!ビールの種類(ビアスタイル)11選!
ビールの種類は150種類以上……!全て網羅するのは至難の業です。そこで、これだけは押さえておきたい11のビアスタイルの特徴をまとめて紹介します。
- ピルスナー(Pilsner)とは
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ピルスナー(Pilsner)は19世紀にチェコのピルゼンで生まれた「ピルスナーウルケル」を発端に、世界中で最も広く普及しているビアスタイルです。日本で流通しているビールの約99%がこのピルスナーに分類されます。淡色でアルコール度数は低め、キレのある爽やかなのどごしと、ホップの苦味が特徴です。
発祥国 チェコ
発酵方法 下面発酵酵母(ラガー酵母)で発酵
アルコール度数 4.5~5.3%※
ビールの色合い ストロー(麦穂のような色)~ゴールドピルスナーのおすすめ(人気)クラフトビール
【オランダ】ハイネケン(Heineken )
【チェコ】ピルスナー・ウルケル(Pilsner Urquell Brewery)
【ドイツ】ラーデベルガーピルスナー(Radeberger Exportbierbrauerei)
\ピルスナーについてもっと知りたい方はこちら/
ピルスナー(Pilsner)ってどんなビール?
- ペールエール(PaleAle)とは
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ペールエール(PaleAle)は、モルトのコクやホップの香りがふくよかに感じられるのが特徴のビアスタイルです。
イギリス発祥のビアスタイルですが、その後アメリカに渡り、柑橘系のホップの香りが華やかに感じられる「アメリカン・ペールエール」が考案され、世界中に人気が広がりました。
「クラフトビールを飲んだことがない」という方におすすめしたいのが、このペールエール。苦味も比較的控えめで飲みやすく、食事にも合わせやすいからです。
ペールエールの基本情報
発祥国 イギリス
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 4.5%~6.2%
ビールの色合い ゴールド~ディープゴールドペールエールの豆知識
ペールエールが生まれたのは18世紀ごろのイギリス。
その当時流通しているビールは色の濃いものがほとんどでした。それらと比較すると色が淡かったことから「ペール(=色が淡い)エール」と呼ばれるようになったといわれています。そして、ペールエールは大きく分けて2つ!
・モルトのコクを感じられる、イギリス生まれの「イングリッシュ・ペールエール」
・ホップの香りがふんだんに感じられる、アメリカ生まれの「アメリカン・ペールエール」
自分の好みにあうペールエールを見つけて、楽しんでみてくださいね!ペールエールのおすすめ(人気)クラフトビール
・【日本】 よなよなエール(ヤッホーブルーイング)
・【日本】キャプテンクロウ エクストラペールエール(オラホビール)
・【アメリカ】シエラネバダペールエール(SIERRA NEVADA BREWING Co.)\ペールエールをもっと知りたい方はこちら/
ペールエール(PaleAle)ってどんなビール?
- ゴールデンエール(Golden Ale)とは
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ゴールデンエール(Golden Ale)は名前のとおり、淡い金色をしたエールビールのことです。ブロンドエール(Blonde Ale)とも呼ばれます。
アルコール度数は低め、ペールエールなどのビアスタイルよりはホップの香りは控えめで、モルトの甘みが穏やかに感じられるのが特徴です。アルコール度数が高いものは「ストロング・ゴールデンエール」に分類されます。
ゴールデンエールの基本情報
発祥国 アメリカ
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 4.1~5.1%
ビールの色合い ストロー(麦穂のような色)~ゴールドゴールデンエールの豆知識
ゴールデンエールは、エールビールの中でもラガービールに特徴が似ているため、その飲みやすさからエールビールの「入門ビール」として位置づけられることが多いです。世界中のクラフトブルワリーで醸造されており、多くのファンに愛されています。
また、多くの派生ビアスタイルがあり、アメリカンホップと酵母を使ってつくられる「アメリカン・ゴールデンエール」やベルジャン酵母を使った「ベルジャン・ゴールデンエール」など、一概に「ゴールデンエール」と言っても個性豊かな味わいのものが存在しています。
ゴールデンエールのおすすめ(人気)クラフトビール
・【日本】軽井沢高原ビール ワイルドフォレスト(ヤッホーブルーイング)
・【日本】TOKYO隅田川ブルーイング ゴールデンエール(アサヒビール)\ゴールデンエールをもっと知りたい方はこちら/
ゴールデンエール(Golden Ale)ってどんなビール?
- インディアペールエール(IPA/アイピーエー)とは
-
インディアペールエール(IPA/アイピーエー)は、ビールの原材料の一つである「ホップ」を大量に使用してつくられるビールです。ホップの香りや苦味が、一般的なビールと比べるとかなり強く、アルコール度数も5.5%~7.5%と高いのが特徴。世界中で愛されているビアスタイル(ビールの種類)の一つです。
インディアペールエール(IPA)の基本情報
発祥国 イギリス
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 5.5%~7.5%
ビールの色合い ゴールド~ディープゴールドインディアペールエール(IPA)の豆知識
IPAの発祥は、18世紀ごろのイギリスです。イギリス人たちが、当時イギリスの植民地だったインドまでどうにかビールを持っていけないか……と考えた結果、防腐作用のある「ホップ」を大量にビールに投入し、アルコール度数を高めたビールをつくりました。
これが「IPA」の起源だと言われています(インドに持って行くビールだから「India」なのですね!)。
今や世界で一番飲まれているクラフトビールと言っても過言ではないIPA
IPAには沢山の派生スタイルがあります。柑橘類の香りを思わせるアメリカンホップを使用した「アメリカンIPA」、アルコール度数が高めの「ダブルIPA」など。自分の好みにあうIPAを見つけて、楽しんでみてくださいね!
インディアペールエール(IPA)のおすすめ(人気)クラフトビール
・【日本】 インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)
・【スコットランド】 パンクIPA(BrewDog)\インディアペールエール(IPA/アイピーエー)をもっと知りたい方はこちら/
IPA(アイピーエー)ってどんなビール?
- ポーター(Porter,黒ビール)とは
-
ポーター(Porter)は、黒ビールの1種です。焙煎したモルト(麦芽)由来のコーヒーやココアを思わせるロースト香と、グラスの向こう側が見えない程の濃い色合いが特徴です。
黒ビールとは
「黒ビール」といっても、実は色々な種類があります。「スタウト」「シュバルツ」「デュンケル」……などなど。これらと比べると、ポーターはコクがあり、丸みのある味わいなのが特徴です。
黒ビール特有の苦味は比較的感じづらく、モルトのふくよかなコク・甘味を感じられるので「黒ビールの中ではポーターが一番好き」という方も多いのです。「黒ビールは苦手」という方も、ぜひ一度飲んでみてはいかがでしょうか。
ポーターの基本情報
発祥国 イギリス
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 4.4%~6.6%
ビールの色合い ダークブラウン~ブラックポーターの豆知識
ポーターというビアスタイルは、1722年にイギリスのロンドンで生まれたと言われています。
売れ残ってしまった「古いブラウンエール」と、「新しいブラウンエール」、そして「ペールエール」を混ぜてつくった「スリースレッド」という安いビールが庶民の間で人気を博したのが全てのはじまり。
「こんなに人気なら、わざわざ混ぜるのも大変だから、あらかじめ作ってしまったらいいんじゃないか」ということで生まれたのが「ポーター」というビアスタイルです。
ポーターのおすすめ(人気)クラフトビール
・【イギリス】タディポーター(Samuel Smith’s Brewery)
・【日本】黒船ポーター(ベアードビール)\ポーターについて詳しく知りたい方はこちら/
ポーター(Porter)ってどんなビール?
- スタウト(Stout,黒ビール)とは
-
スタウト(Stout)は、英語で「強い」という意味。いわゆる「黒ビール」の一種で、まっくろな見た目と、香ばしいナッツやチョコレート、コーヒーのような香りが特徴です。
なお、日本における「スタウト」は「濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビール」として、国税庁により定められています。( 参考: 国税庁 ビール・発泡酒に関するもの )
スタウトの基本情報
発祥国 イギリス
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵※日本においてはこの限りではない
アルコール度数 3.8%~5%※スタイルによって異なる
ビールの色合い ダークカッパー(深い銅色)~ブラックスタウトの豆知識
単に「スタウト」と呼ぶときは、後味にローストした麦芽の苦味が残る、すっきりとした「ドライスタウト」を指します。でも、これだけじゃ収まらないのがスタウトの世界。
例えば、乳糖(ラクトース)を加えて甘味をつけた「ミルクスタウト」、オートミール(オーツ麦を食べやすく加工したもの)を加えて芳醇な味わいとなめらかな口当たりをつけた「オートミール・スタウト」。
ハイアルコールで濃厚な味わいの「インペリアルスタウト」、そして木樽熟成させた「バレルエイジドインペリアルスタウト」……。
基本は同じスタウトでも、飲み比べてみると違いは歴然。スタウトの世界は本当に奥深いのです。あなたも一度、沼にハマッてみませんか?
スタウトのおすすめ(人気)クラフトビール
・【アイルランド】ドラフトギネス(GUINNRSS)
・【日本】スタウト(伊勢角屋麦酒)
スタウト(Stout)ってどんなビール?
- ベルジャンホワイト(Belgian White,白ビール)とは
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ベルジャンホワイト(Belgian White)は、白ビールの一種。ベルギーで古くからつくられている伝統的なビアスタイルです。小麦を使用すること、コリアンダーシードやオレンジピール(オレンジの皮)を副原料として用いています。
ベルジャンホワイトの特徴は、小麦由来の甘酸っぱさ、ベルジャン酵母とハーブ、オレンジピール由来のフルーティな香りです。青りんごを思わせる香りに包まれた、甘酸っぱい小麦の味わいと優しい炭酸が、爽やかに喉を潤してくれます。
白ビールとは
白ビール(ホワイトビール)は、小麦(もしくは小麦麦芽)と大麦麦芽の両方を用いてつくる上面発酵ビールです。苦味が少なく、やさしい味わいが特徴です。
白ビールはベルジャンホワイトの他に、「ヴァイツェン」や「アメリカンウィートエール」などもあります。
\白ビールについて詳しく知りたい方はこちら/
白くないのに白ビール?白ビールについてクラフトビールメーカーが解説します!ベルジャンホワイトの基本情報
発祥国 ベルギー
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 4.8%~5.2%
ビールの色合い ペールストロー~ストロー(麦穂のような色)ベルジャンホワイトの豆知識
ベルジャンホワイトは、中世で広く親しまれていたビアスタイル。でも産業の近代化の中で一時期ピルスナーに淘汰されてしまいます。
そんなベルジャンホワイトを復活させたのが、ヒューガルデン・ホワイトを創りだしたピエール・セリス氏。すっきりと飲みやすいヒューガルデン・ホワイトはクラシックなスタイルにも関わらず、若者を中心に瞬く間に広がりました。
ベルジャンホワイトのおすすめ(人気)クラフトビール
・【日本】 水曜日のネコ(ヤッホーブルーイング)
・【ベルギー】ヒューガルデン・ホワイト(Hoegaarden)\ベルジャンホワイトについて詳しく知りたい方はこちら/
ベルジャンホワイト(Belgian White)ってどんなビール?
- セゾン(Saison)とは
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セゾン(Saison)は、ベルギー南部で昔から飲まれていたビアスタイルです。ピーチ・グレープフルーツ・ライム・ホワイトペッパーを思わせる、フルーティとスパイシーが混然一体となった複雑な香り。これは他のビアスタイルではあまり感じられない、セゾンの特徴的なアロマです。
セゾンの基本情報
発祥国 ベルギー
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 5.0%~9.5%
ビールの色合い ライトゴールド~アンバーセゾンの豆知識
ベルギーのワロン地方で造られていた夏だけのビアスタイルです。農業の閑散期に仕込み、夏の農作業の合間にのどを潤すために造られていたんだとか。
元々は野生にいる酵母で発酵させるビアスタイルで、できあがるビールはまさに「自然の恵み」。
そんな神秘的でロマンあふれる製造方法に多くのブルワーが魅了され、たくさんのユニークな「セゾン」が生まれました。セゾンのおすすめ(人気)クラフトビール
・【日本】 僕ビール君ビール(ヤッホーブルーイング)
・【日本】 セゾン・ドゥ・ジャポン(常陸野ネストビール)\セゾンについて詳しく知りたい方はこちら/
セゾン(Saison)ってどんなビール?
- バーレーワイン(Barley Wine)とは
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バーレーワイン(Barley Wine、バーレイワインとも)は、直訳すると「麦のワイン」という意味。通常のビールの10倍以上もの時間をかけて熟成させる「長期熟成」が特徴のビアスタイルです。
一般的なエールビールの熟成期間は約2~3週間程度ですが、バーレイワインの熟成には半年~1年以上かかることも。
力強いモルト(麦芽)の甘みとボディの強さ、アルコール度数の高さに加えて、熟成を重ねたことによるカラメル・ハチミツ・レーズンの様な香りも感じられます。
バーレーワインの基本情報
発祥国 イギリス
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 8.0%~12.0%
ビールの色合い ディープゴールド~ブラウンバーレーワインの豆知識
つくるのにとても長い時間がかかるバーレイワイン。飲む際にも時間をかけて楽しみたいものです……。なぜならゆったりと飲んだ方が、バーレイワインの持つ魅力を存分に味わえるから!
熟成を重ねることによって醸成されたカラメルやハチミツ、レーズンのような複雑な香りは、冷たいバーレイワインが徐々にぬるくなっていくにつれて花開くのです。
ワイングラスや、ブランデーグラスのような形のグラスに注いで楽しむのがベスト!ぜひ特別な日のビールとして、楽しんでみてください。
バーレーワインのおすすめ(人気)クラフトビール
・【イタリア】シャウユ オーロ(BALADIN )
・【日本】el Diablo(サンクトガーレン)\バーレーワインについて詳しく知りたい方はこちら/
バーレイワイン(Barley Wine)ってどんなビール?
- ランビック(Lambic,サワーエール)とは
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ランビック(Lambic)とは、サワーエールの一種。ビールとは思えない「酸味」が特徴のビールです。
ビールの発酵工程はタンクに入れて外気とふれないように発酵させるのが一般的ですが、ランビックは蓋などをせずに、オープンな状態で発酵を行います。
醸造所の空気中に浮遊している野生酵母や微生物を利用して発酵させるため、独自の香りや味わいを醸し出してくれるのです。サワーエールが酸っぱいのは、自然界に存在する微生物たちのおかげ、というわけです。
そして、原材料にも秘密が。長期熟成させたホップが大量に使われます。これにより華やかな香りや苦味はなくなるほか、防腐効果もたらされます。サワーエールとは
発酵にエールビール酵母・ラガービール酵母ではなく、自然に生息する天然の酵母を使います。こうした「野生酵母」や「乳酸菌」などを併用することで、サワーエールの特徴である「酸味」が生まれます(野生酵母のみを使用してつくられるサワーエールもあります)。
使用する酵母や菌、つくり方によって、サワーエールの香りや味わいはまったく異なるものになります。「酸味」がメインの特徴ではありますが、ほどよい酸味のビールもあれば、驚くほど酸っぱいビールもあります。サワーエールにフルーツ等(果物、ピューレ、シロップ類)を漬け込み、発酵させたビールもあるんですよ。
\サワーエールについて詳しく知りたい方はこちら/
サワーエール(Sour Ale)ってどんなビール?ランビックの基本情報
発祥国 ベルギー
発酵方法 自然発酵
アルコール度数 それぞれ
ビールの色合い それぞれランビックのおすすめ(人気)クラフトビール
・【ベルギー】カンティヨン・グース(Brasserie Cantillon)
・【ベルギー】リンデマンス・クリーク(LINDEMANS)
- バレルエイジドビール(Barrel aged beer)とは
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バレルエイジドビールは、ビールをバレル(木樽 / Barrel)で熟成させる「バレルエイジ」という手法で造るビール。海外ではメジャーなスタイルですが、国内ではまだまだ認知度が低く、醸造しているブルワリーも限られています。
使用する木樽の種類はさまざま。バーボン樽、シェリー樽、ワイン樽など、別のお酒を熟成させていた木樽にビールを詰めてじっくり熟成させたものがバレルエイジドビールと呼ばれます。
中に詰めるビールのビアスタイルにも、特に縛りはありません。バレル×原酒となるビールの組み合わせだけでなく、熟成期間、ブレンド具合など、さまざまな要素が複雑に絡み合って生まれる、まさに「一期一会のビール」です。発祥国 フランス
発酵方法 それぞれ
アルコール度数 それぞれ
ビールの色合い それぞれバレルエイジドビールの豆知識
バレルエイジによって生まれる香りは、樽に使用された木の香りだけではありません。シェリー樽で熟成させたらシェリー由来の香りが、バーボン樽で熟成させたらバーボン由来の香りが、ビールに移っていくのです。
いろんなお酒を熟成させてきた古樽であればあるほど、お酒由来の複雑なフレーバーが染み込んでいるもの。そんなバレルでビールを熟成させると、とても複雑でユニークなキャラクターのビールが出来上がるんですよ。
まさに可能性は無限大! バレルでビールを熟成させるのって、とっても面白いんです!
バレルエイジドビールのおすすめ(人気)クラフトビール
・【日本】バレルフカミダス(ヤッホーブルーイング)
・【アメリカ】パラボラ(Firestone Walker Brewing Co.)\バレルエイジドビールについて詳しく知りたい方はこちら/
バレルエイジドビール(Barrel aged beer)ってどんなビール?
【まとめ】クラフトビールの種類(ビアスタイル)
こちらの記事では、クラフトビールメーカー「ヤッホーブルーイング」の醸造責任者が、ビールの種類について解説しました。
・クラフトビールの種類は世界中で150種類以上
・クラフトビールは「ラガービール」と「エールビール」分かれる。
・ラガービールはキレがよく、すっきりとしたのどごしが特徴で「ピルスナー」「シュバルツ」などのビアスタイルが有名。
・エールビールはフルーティーで豊かな香りと深い味わいが特徴で淡い色の「ペールエール」、鮮烈なホップの苦味がクセになる「IPA(インディア・ペールエール)」、コーヒーに似た味わいの「スタウト」「ポーター」、フルーティーで苦味の少ない「ベルジャン・ホワイトエール」などさまざまな種類があり、色も味わいもまさに千差万別。
世界の醸造家たちの情熱により、ビアスタイルは今こうしている間にも増え続けています。どんどん広がっていくクラフトビールの世界は、私たちを魅了してやみません。
そして、クラフトビールの楽しさはビアスタイルだけではありません。「グラス選び」や「ビアフェス」など様々あります。
ぜひ他の楽しみ方も知りたい方はこちらの記事からどうぞ。
クラフトビールの楽しみ方入門編 | ビールの色・味・飲み方などわかりやすく解説!