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サワーエール(Sour Ale)ってどんなビール?

サワーエール(Sour Ale)ってどんなビール?

世界中には、なんと100種類以上のビールが存在しています。でも日本国内で広く流通しているビールは、たった1種類。黄色くてのどごしと苦みを楽しむ「ビール」以外にも、個性豊かなビールがたくさんあるのです。ビールの奥深さをもっと楽しんでみませんか?

この記事では「サワーエール」というビアスタイルを紹介します。  

サワーエール(Sour Ale)とは

サワーエール

サワーエール(Sour Ale)は、ビールとは思えない「酸味」が特徴のビール。

発酵に、ビール酵母以外の「野生酵母」や「乳酸菌」などを併用することで、サワーエールの特徴である「酸味」が生まれます(野生酵母のみを使用してつくられるサワーエールもあります)。

使用する酵母や菌、つくり方によって、サワーエールの香りや味わいはまったく異なるものになります。「酸味」がメインの特徴ではありますが、ほどよい酸味のビールもあれば、驚くほど酸っぱいビールもあります。サワーエールにフルーツ等(果物、ピューレ、シロップ類)を漬け込み、発酵させたビールもあるんですよ。

ヤッホーブルーイングのサワーエール「パッションベリーサワー」
過去にヤッホーブルーイングが出した「パッションベリーサワー」

ビアスタイルガイドラインでは「サワーエール」カテゴリは細分化されており、大きく分けると「アメリカンスタイル・サワーエール」「ジャーマンスタイル・サワーエール」「ベルジャンスタイル・サワーエール」があります。さらに、本場ベルギーのサワーエールのなかには、もはやカテゴライズできないぐらい個性的なビールも存在しているんです。

サワーエールは、酵母や菌の組み合わせ、手法の組み合わせ、様々な要素から成立する奥深いビアスタイルです。

サワーエールの基本情報

発祥国 ベルギー
発酵方法 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵
アルコール度数 つくり手による
ビールの色合い つくり手による

サワーエールってどうつくるの?

サワーエールのつくり方は様々あります。
今回はベルジャンスタイルのサワーエール、なかでも「ランビック」のつくり方をご紹介します。

ランビックは野生酵母を利用してつくられる自然発酵のビールです。

ビールの発酵工程はタンクに入れて外気とふれないように発酵させるのが一般的ですが、ランビックはオープンな状態で発酵を行います。ちょうど日本酒の生酛を想像してもらえると近いかもしれません。醸造所ごとに蔵つき酵母みたいな菌がいて、独自の香りや味わいを醸し出してくれるのです。サワーエールが酸っぱいのは、自然界に存在する微生物たちのおかげ、というわけです。

日本酒と同様、ベルギーでもランビックを仕込むのは腐敗菌などのビールに悪影響を与える菌の活動が落ち着いてくる「冬」。海を越えて同じ技術で別々の酒造りの文化ができているなんてロマンを感じますね。

サワーエールに合う一品

カマンベールチーズ

サワーエールは、ブルーチーズやカマンベールチーズに少しハチミツをかけたものとのぺアリングがおすすめ。サワーエールの酸味とチーズの芳醇な香り、ハチミツの深い甘みが相まって、とても幸せな気持ちになれますよ。

おすすめのサワーエール

Gueuze

カンティヨンのグーズ

1つ目のオススメはBrasserie Cantillonの「Gueuze(グーズ)」

サワーエールの中の「ランビック」に分類されます。
伝統製法をかたくなに守りながらつくられている一品です。

りんごやレモンのようなフレッシュさ、干し草のような芳ばしさ、そして熟成を感じさせる少し甘い奥深い香り……それらが混ざり合った、深みの中に軽快さのある、なんとも不思議な香りが特徴です。

香りもユニークですが、やはり一番の特徴は酸味です。ビールとは思えぬ突き刺すような酸味とキリっとしたドライな飲み口。多くのビールに感じる甘いもったりした余韻はあまりありません。辛口のビオワインのような爽やかさと複雑さにもどこか似ています。カンティヨンのブルワーは、ビール造りは「自然」が行うという考え方をもっているんですよ。

3 Fonteinen Oude Kriek

クリーク

2つ目のオススメはBrouwerij 3 Fonteinenの「Kriek(クリーク)」

サワーエールに果物を漬け込み、再度発酵させて造られるフルーツサワー。その中でもオススメしたいのがこの、チェリーを漬け込んだクリークです。サワーエールならではの酸味としっかりとしたチェリーの酸味が相まって、とてもフレッシュで複雑な味わいに酔いしれることができます。まるで朝採れたばかりのチェリーを使ったタルトを思わせる味わいです。まさに唯一無二。

サワーエールの魅力、あなたにもぜひ感じていただけますように!

他のビールも知りたい方は

初心者におすすめなクラフトビールの記事やビアスタイルごとに詳しく解説している記事がまとまっているページもありますので、ぜひそちらもご覧ください。

この記事で、サワーエールの魅力が少しでも伝わったら嬉しいです。それではまた。

(おわり)