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ヘイジーIPA・ブリュットIPA…IPAから派生したビールを徹底解説

ヘイジーIPA・ブリュットIPA…IPAから派生したビールを徹底解説

こんにちは、よなよなスタッフの「うえぴ」です。

突然ですが、皆さんは「IPA(アイピーエー)」というビアスタイルは好きですか?

IPAの正式名称は「India Pale Ale(インディアペールエール)」。ビールづくりに使われる「ホップ」のアロマ(香り)と苦味を存分に感じることのできるビアスタイルで、現在世界中のクラフトビール醸造所でつくられているほど、人気のあるスタイルなんです。

世界中で人気のIPAですが、今ではそんなIPAから派生したビアスタイルも多数誕生し、ビールファンから愛されるようになっています。

この記事では、IPAから派生したビアスタイルを紹介していきます。気になるものがあったら、ぜひお近くのビアパブ等で飲んでみてくださいね!

この記事を監修した人

加藤 直(かとう なおし) ニックネーム:なおG
幕府中奉行(醸造所設備ユニット) ユニットディレクター
2014年新卒入社。社長アシスタント、醸造、充填などに従事後、2019年度に醸造部門のユニットディレクター就任、その後醸造所施設を管理する「幕府中奉行」ユニットディレクターに就任。
「よなよなエール」をはじめとするクラフトビールの醸造や新製品の研究・開発を担当。料理の趣味が高じて、ビールに合うペアリング料理のレシピ開発や料理教室講師なども行う。

IPA(アイピーエー)とは?

IPA(アイピーエー)は、ビールの原材料の一つである「ホップ」を大量に使用してつくられるビールです

正式名称を「India Pale Ale(インディア・ペールエール)」といいます。ホップのもつ香りや苦味が、一般的なビールと比べるとかなり強く、アルコール度数も約5.5~7.5%と高めなのが特徴。世界中で愛されているビアスタイル(ビールの種類)の一つです。

IPAの歴史

IPAの正式名称は「India Pale Ale(インディアペールエール)」。インディアといっても、インドで生まれたわけではありません。

IPAの発祥は、18世紀ごろのイギリスです。イギリス人たちが、当時イギリスの植民地だったインドまでどうにかビールを持っていけないか……と考えた結果、防腐作用のある「ホップ」を大量にビールに投入し、アルコール度数を高めたビールをつくりました(インドに持って行くビールだから「India」なのですね!)。

これが「IPA」の起源だと言われており、このスタイルのビールは現在「イングリッシュ・インディア・ペール・エール(EIPA)」と分類されています。

IPAの特徴

ビールの主な原材料のひとつ「ホップ」


IPAは、ビールの原材料の一つ「ホップ」を大量に使用して作られるため「強いホップの香り」を持っているのが特徴です。若葉のような青々しい香りを持つIPAから、まるでフルーツのような香りを持つIPAまで、銘柄によって様々な香りが楽しめます。IPAを飲む機会があったら、香りを嗅いでから飲むことをお忘れなく。

インドの青鬼は派生系IPAではなく“IPA”
 

IPAのもう一つの特徴は「ホップの苦味」。日本で一般的に流通しているビールと比べ、かなり強い苦味を持っているビールですが、その苦味がクセになり、ハマってしまう人が多いのもIPAの特徴。
私たちヤッホーブルーイングの中にも「IPAがきっかけでクラフトビールが好きになった」というスタッフが多数在籍しています。

IPAから派生したビール

今や世界で一番飲まれていると言っても過言ではないビアスタイルが、IPA。たくさんの派生スタイルがあります。

特にカスケード(cascade)という品種のホップを使ったアメリカンIPAの登場により、一気にIPA人気が世界に広まっていきました。他にもアルコール度数が高めの「インペリアルIPA」、ドライで爽やかな口当たりが特徴の「ブリュットIPA」など。ここからは色々なIPAの派生型を詳しくご紹介します!

ビールにはたくさんの種類があるんです!

※IPAの歴史や、ここまで人気が出るに至った経緯をまとめたよみものもあります。よかったらこちらもご覧くださいませ! 「 "IPA"が世界中のビールファンに愛されるようになるまで。IPAの誕生~現在までの変遷と歴史を解説します

ヘイジーIPA(ニューイングランドIPA)

Hazy IPA(ヘイジーIPA)は、その名の通り濁った(ヘイジーな)外観が特徴的なIPAです。モルトに含まれるデンプン質やタンパク質、ホップの成分が多く含まれているため、この独特な濁りが生まれています※。
※他にも濁りをつくる手法はありますが、ここでは一般的なものを紹介します!

ホップのアロマは存分に感じられますが、苦味はそこまで強く感じず、飲み口も滑らか。また「ニューイングランドIPA(New England IPA,NEIPAとも)」や、後ほど紹介する「ミルクシェイクIPA(Milkshake IPA)」もこのヘイジーIPAの仲間です。

おすすめの日本のヘイジーIPA

HAZYIPA2024の缶画像


ヤッホーブルーイングから2024年8月新発売の「HAZY IPA 2024」。(ヘイジーIPA2024)
マンゴーやパイナップルを搾ったフレッシュジュースを思わせるトロピカルなホップフレーバーと、濁りのあるイエロー、シルキーな口当たりのヘイジーIPA。大量のドライホップによって、苦味を抑えながら、豊かなホップ香を存分に楽しめます。

ヘイジーIPAについてもっと詳しく知りたい方はこちら
 

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おすすめの海外ヘイジー IPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

(画像引用元: https://www.fremontbrewing.com/our-beer

海外のヘイジーIPAを飲んでみたい……! という方におすすめなのが、クラフトビール天国のアメリカ・シアトルに醸造所を構えるFremont Brewing Companyの「Mod Pod IPA」です。

ホップのグラッシー(青々しい)な香りと、トロピカルフルーツのような香りが調和しており、トロっとした口当たりもHazy IPAならでは。コクとキレのバランスも良く「美味しいHazy IPAが飲みたい!」という方にぜひ飲んでもらいたいHazy IPAです。

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ミルクシェイクIPA

ミルクシェイクIPAは、ニューイングランドIPAから派生した新しいスタイルのビールです。バニラビーンズやラクトース(乳糖)、フルーツなどを加えて醸造されています。そのため、クリーミーな口当たりと甘い風味が特徴のビールです。

おすすめのミルクシェイクIPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

(画像引用元: https://omnipollo.com/

ミルクシェイクIPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのが、世界的にも人気が高いスウェーデンのブルワリーOmnipolloの「オムニポーロ メキシカン バニラ ピニャ コラーダ ミルクシェイク IPA 」。
副原料に、オーツ麦、バニラ、ラクトース、フルーツ等を使っているため、ホップ由来の苦味を感じつつも非常にやわらかい口当たりが特徴で、パイナップル・ココナッツミルクなどの甘みを感じる味わいが楽しめます。

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イングリッシュIPA

イングリッシュIPAは先述の通り、強烈なホップの香りと苦味が特徴のビールです。アルコール度数は5%〜7%程度。
イギリス産のホップを使用したIPAで、ホップ由来のフルーティな香りにハーブのような爽やかさ、モルトの甘い風味が感じられます。

おすすめのイングリッシュIPA

(画像引用元: https://seoulbrewery.imweb.me/

イングリッシュIPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのが、韓国のソウルブルワリーとドイツのカンバ・ババリア醸造所のコラボビール「カンバエソウルイングリッシュIPA(CAmba E Seoul English IPA)」。

グレープフルーツやオレンジ、ふんわり香る松の風味が感じられるスッキリとした香りが特徴。ホップ由来の苦味と、モルト由来の麦芽の甘味を感じることができるバランスのとれた味わい。イングリッシュIPAといえば苦味が特徴のビールですが、スッキリと飲むことが出来ます。

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アメリカンIPA

アメリカンIPAとは、アメリカ西海岸発祥のビール。アメリカ産のホップを使用していることから、アメリカンIPAと呼ばれています。
アメリカ産ホップ由来の柑橘系の華やかな香りが特徴のビール。苦味をしっかりと感じつつも、雑味はなくスッキリと飲むことができます。

おすすめのアメリカンIPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

(画像引用元: https://revisionbrewing.com/sparks-revision-brewing-company-beer-library

アメリカンIPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのが、Revision Brewingの「REVISION IPA」。

この「REVISION IPA」は、2018年のWorld Beer CupのAmerican-Style India Pale Ale部門で金賞を受賞したIPA​。
苦味は少なく抑えられ、トロピカルフルーツやシトラス、松のような華やかな風味が感じられるのが特徴です。口当たりもクリーミーなのでとても飲みやすいAmerican IPAです。

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ブリュットIPA

Brut IPA(ブリュットIPA)は、クラフトビール先進国であるアメリカのサンフランシスコで生まれたIPA。ビールに含まれる糖分が非常に少ないため、ドライで爽やかな口当たりに仕上がっており、ドリンカビリティ(飲みやすさ)が高いのが特徴です。

Brutとは「辛口の」という意味の言葉。辛口のシャンパンに「Brut」という表記がありますが、それと同じ意味合いですね。

おすすめのブリュットIPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

Brut IPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのが「軽井沢ビール クラフトザウルス ブリュットIPA(以下、クラフトザウルス ブリュットIPA)」。私たちが普段軽井沢エリア限定で販売しているBrut IPAです。

ホップの青々しい香りは控えめにし、その分トロピカルフルーツやライチ、マスカットを思わせる香りを際立たせました。

軽井沢エリア限定で販売している他、不定期でよなよなの里・オンラインストアでも販売することも。タイミングがよければ、ぜひ飲んでみてくださいね!

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インペリアルIPA(ダブルIPA)

ダブルIPAは、通常のIPA(India Pale Ale)よりもモルト(麦芽)やホップの使用量が2倍程度多く、それに伴いアルコール度数も高くなっています。

ホップの使用量が多い分、苦味をしっかりと感じますが、モルトの甘さも増すため、ホップの強い苦味をバランス良く補っています。

アルコール度数も7.5~10.5%と高めなのが特徴。それ以上にアルコール度数が高いものを「トリプルIPA」と呼びます。

おすすめのインペリアルIPA(ダブルIPA)

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

(画像引用元: https://revisionbrewing.com/sparks-revision-brewing-company-beer-library

ダブルIPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのが、Revision Brewingの「DIPA」。ホップをふんだんに使用しているので、ホップ由来のシトラスやグレープフルーツの香りを感じることができます。

アルコール度数8%と少し高めではあるものの、それを感じさせない飲みやすさが特徴です。味わいは、モルト由来の麦芽の甘味もかすかに感じる事ができます。
 

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トリプルIPA

トリプルIPAとは、通常のIPAより2倍~3倍苦味が強いビール。それに伴って、アルコール度数はダブルIPAよりも高い、約10%ほど!
しかし、ホップと一緒に大量のモルトが加えられているので、甘味もしっかりと感じられます。ガツンと苦味はありつつも口当たりはスッキリしており、ホップ由来のフルーティーな香りと味わいが特徴なビールです。

おすすめのトリプルIPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

(画像引用元: https://revisionbrewing.com/sparks-revision-brewing-company-beer-library

トリプルIPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのが、Revision  Brewingの「
Dr. Lupulin」。“ルプリン”という名のとおり、ホップを大量に使用しているため、強い苦味が特徴でなんとIBUは133! これでもかというくらいの苦味を味わうことができます。また、11.3%とハイアルコールなビールです。

ここまで聞くと、思わず飲むのをためらってしまいそうですが、マンゴーや松を思わせる香りを感じることができ、強烈な苦みがクセになり飲む手が止まりません!

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セッションIPA

アメリカ発祥のビールスタイルで、"セッション"というのは、長時間にわたって何杯も飲むことができることを意味しているんだとか。そのため、アルコール度数は通常のIPAよりも低めの5%未満に設定されています。

特徴的なのは、軽い飲み口と、苦味が抑えられた優しい味わいです。しかし、ホップ由来のアロマや風味はしっかりと感じることができ、フルーティーな銘柄も多く見られます。

おすすめのセッションIPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

(画像引用元: https://www.craftroot.co.kr/

セッションIPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのが、韓国のブルワリーCRAFT ROOTの「Snow Cold IPA」。インターナショナルビアカップ2023セッションIPA部門において金賞を受賞したビールです。

4種類のホップを贅沢に使用しており、柑橘類のようなシトラスの香りや、パイナップルやマンゴーといったトロピカルフルーツのような香りを感じることができます。

味わいは軽く、シトラスさやほんのりとした甘味を感じられスッキリとした味わいが特徴です。苦味はそこまで強くなく、アルコール度数も5.3%となっており、フルーティーさを感じられます。
 

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ベルジャンIPA

ベルジャンIPAとは、ベルギーの伝統的なビール醸造技術と、アメリカのIPAスタイルを融合したビールです。
ベルギーのエール酵母を使用するので、ベルギービールのような甘みやフルーティーな香りを感じられます。フルーティーでありながら、ホップの苦味が引き締めてくれるので、バランスの良い味わいです。アルコール度数は高めで、後味も楽しむことができます。

おすすめのベルジャンIPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

(画像引用元: https://www.delirium.be/ja/hiru/delirium-argentum

ベルジャンIPAを飲んでみたい……! という方におすすめするのは、ベルギーにある、ヒューグ醸造所がつくる「Delirium Argentum」。

はちみつやオレンジ、白桃のようなフルーティーな香りを感じることができ、ベルギービールの特徴の一つである酸味も感じる事ができます。甘味と酸味と苦味のバランスが取れているため、多様な味わいを楽しめることができるおすすめのベルジャンIPAです。

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ブラックIPA

Black IPA(ブラックIPA)は、その名の通り「黒いIPA」です。黒ビールならではのロースト香と、IPAらしいホップのアロマが調和した香りが特徴的。「見た目は黒ビールなのに、味わいはIPA」というギャップが面白いビアスタイルですね。

おすすめのブラックIPA

軽井沢にあるヤッホーブルーイングの畑のホップ

ブラックIPAを飲んでみたい……! という方におすすめなのが「軽井沢ビール クラフトザウルス ブラックIPA(以下、クラフトザウルス ブラックIPA)」。私たちが普段軽井沢エリア限定で販売しているブラックIPAです。

黒ビールらしいロースト香も感じられながら、ホップの青々しい香りや、オレンジのような香りも感じられるブラックIPAに仕上げました。

クラフトザウルス ブラックIPAは、クラフトビール品評会の「Japan Great Beer Awards(ジャパングレートビアアワーズ)2020」のアメリカンスタイル・ブラックエール部門にて銅賞も受賞した私たちの自信作!

よなよなの里オンラインストアでも期間限定で販売することがありますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。 (不定期販売です)

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【まとめ】

よなよなビアワークス_乾杯イメージ写真

今回はIPAから派生したビールをご紹介しました。
クラフトビール先進国のアメリカでは、ブルワーが趣向を凝らした新しいビアスタイルがどんどん生まれているといいます。

今回紹介したIPAも、そんな風土の中で生まれたビアスタイルが多数。ぜひ実際に飲んでみて、IPA、そしてクラフトビールの面白さ・美味しさを体感してもらえたら幸いです。
それではまた!

(おわり)

この記事を書いた人