フルーツビールってどんなビール?
フルーツビールって?
フルーツビールは、原材料の一部にフルーツを使用してつくったビールです。ブルワー(ビール職人)がつくりたい味のイメージにあわせて使うフルーツやその形状(生の果実、ペースト状にしたもの、シロップ……等)を決めていきます。
フルーツビールの基本情報
発祥国 | ベルギー |
発酵方法 | 上面発酵酵母(エール酵母)で発酵 下面発酵酵母(ラガー酵母)で発酵 |
アルコール度数 | さまざま |
ビールの色合い | さまざま |
フルーツビールの発祥や歴史
元々フルーツを使ったビールづくりが盛んに行われていたのはベルギーでした。
隣国のドイツが「ビールは麦芽・ホップ・水のみを使用してつくる」というルール(「ビール純粋令」といいます)のもとでビールをつくっているのとは対照的に、ベルギーではそれ以外の原材料……フルーツなどを使用したビールづくりが活発に行われていたのです。
そんなフルーツビールですが、数年前からアメリカで流行し始めたのをきっかけに、今では多くのクラフトブルワリーが様々なフルーツビールをつくっています。
日本でも各地のクラフトブルワリーで、地元の名産品を使ったフルーツビールがよくつくられていますよ!
味のバランスが求められるビアスタイル
フルーツビールというビアスタイルには、「明確にフルーツを感じられる」ことに加えて、「元のビアスタイルを邪魔しない」バランスが求められます。
フルーツの個性が強すぎると、本来のビールの良さがかき消されてしまうためです。
(フルーツ×IPAならホップの香りがかき消されていないか、フルーツ×ペールエールならモルトのコクや甘味がフルーツに負けていないか…などを気にしながらつくる必要があります)
フルーツの個性とビール本来の味わいの絶妙なバランス。そこをいかに築き上げるのかが、ブルワーの腕の見せどころ。
フルーティな味わいの裏には、熟練したブルワーの技術が隠れているのです……!
フルーツビールにあう料理
フルーツビールは使うフルーツやベースとなるビアスタイルによって味わいが千差万別!
今回は私たちが不定期に造っている「前略 好みなんて聞いてないぜSORRY 其ノ四 セッション柚子エール~あら塩仕立て~(以下、前略ゆず塩)」にあうレシピをご紹介します。
フルーツビールに使われているフルーツを使ったレシピは、必然そのビールとの相性もよくなります。その日飲むフルーツビールにあわせて、試行錯誤しながら料理をするのも楽しいですよ!
ブルワーおすすめのフルーツビール
ヤッホーブルーイングのブルワー(ビール職人)がおすすめする「フルーツビール」は次の2本!
前略 好みなんて聞いてないぜSORRY 其ノ四 セッション柚子エール~あら塩仕立て~(ヤッホーブルーイング)
まずは、私たちヤッホーブルーイングの「 前略ゆず塩 」。
柚子の鮮烈な香りとみずみずしさを表現するため、「柚子×あら塩」の組み合わせにチャレンジしました。「柚子」の爽やかな香りは乾燥柚子皮では弱くなってしまうため、生の柚子皮を使用。その量なんと100kg以上!
さらに「あら塩」を使用した浸透圧により、柚子の香りをさらに効果的に抽出。また、にがりが含まれるあら塩を使うことによって、ビールがとげとげせずに丸みを帯びたやわらかい味わいになりました。
海のあら塩で柚子の個性を炸裂させたフルーツビールです。
※不定期で製造・販売しているビールです。
Kumquat Kölsch(Taihu Brewing(臺虎精釀))
もう一つ、フルーツビールでお勧めしたいのが、台湾・Taihu Brewing(現地名:臺虎精釀)の「Kumquat Kölsch」です。「Kumquat」とは金柑のこと。台湾ではドライフルーツが日常的に食べられているのですが、中でも金柑はとても人気なのです。
金柑のはじけるようなジューシーさと、爽やかな「ケルシュ(ビアスタイル)」のいいとこどりをしたビールです。台湾の気候と文化にフィットしたビールなので、行く機会があればぜひ飲んでみてくださいね。
他のビールも知りたい方は
「世界のビール図鑑」という特集がありますので、ぜひそちらもご覧ください。
この記事で、フルーツビールの魅力が少しでも伝わったら嬉しいです。それではまた。
(おわり)