超々長期熟成ビール「ハレの日仙人」ってどんなビール?
「ハレの日仙人」ってどんなビール?
ハレの日仙人のビアスタイル(ビールの種類)は、バーレイワイン。直訳すると「大麦のワイン」。アルコール度数が高く、ふくよかな甘みとデリケートな苦みをもつビールです。レーズンやメープルシロップを思わせる甘い果実香と、ワインやブランデーのようにしっかりとしたコクが特徴です。
バーレイワインは、ビール大国イギリス発祥のビアスタイル。昔、寒冷地のためブドウ栽培ができなかったイギリスが、お得意のビールでワインに対抗するためつくったことが由来と言われています。そのため、ワインのように高いアルコール度数と、長い月日をかけて熟成することを意識してつくられました。
デリケートな香りと味わいの秘密は、贅沢に使われた原材料と熟成期間
そんなビールらしからぬ「ハレの日仙人」ですが、原材料は通常のビールと同じ、モルト・ホップ・酵母・水のわずか4つ。しかし通常のビールとは決定的に違う点が2つあります。それは、モルトの使用量の多さと、熟成にかかる時間の長さです。
通常の約2倍ものモルトをふんだんに
通常、ビールのアルコール度数は5%前後ですが、バーレイワインは8〜12%。まさにワインに匹敵するハイアルコールなビールです。アルコール度数の高さは、使用するモルトの量に比例します。そのため「ハレの日仙人」は通常の約2倍もの麦芽をふんだんに使用しているのです。
通常の6倍以上もの月日を経て熟成
多くのビールの熟成期間はおよそ2週間程度ですが、バーレイワインは半年~数年。熟成させればさせるほど、角が取れてまろやかな印象になります。実は熟成って、とてつもなく長い時間と手間がかかるんですよ…!そのためバーレイワインは、国内では非常に少数のブルワリー(醸造所)でしか生産されていない、大変希少なビールなんです。
「ハレの日仙人」をもっと楽しむ
ペアリングは、素材をいかしたものがおすすめ
「ハレの日仙人」は香り、味わいが繊細かつしっかりとしたキャラクターを持つため、それらをかき消さないよう、味付けがシンプルで素材をいかしたペアリングがおすすめです。
例えば「ドライフルーツ」「ミックスナッツ」「チョコレート」。「ハレの日仙人」の甘い果実を思わせる香りや、モルトのふくよかな甘みをより強くご堪能いただけます!
飲み頃温度は少しぬるめの15℃
ハレの日仙人は、少しぬるめの温度でお楽しみいただくことで、より豊かな香りや複雑な味わいが引き立ってきます。グラスを手で暖めながら、ゆっくりと味わうことをおすすめします。さらに大きめのワイングラスやブランデーグラスに注ぐと、華やかな香りをより強く感じられますよ!
仕込み年ごとに異なる味わい
「ハレの日仙人」は、仕込み年や発売してからの熟成年数によって味わいが異なります。冷蔵庫に保管した状態なら瓶内熟成も可能なので、入手したら冷蔵庫に入れて、じっくり熟成させてみるのもおすすめです。
ここから先は、「ハレの日仙人」の仕込み年による味わいの違いを紹介します。
僕個人の感想なのでご参考までに!
アルコール度数:8.5%
原材料:麦芽・ホップ
ビールの色は美しいルビー色ですねぇ…!
香りは、カラメルやハーブ感が強く、口に含めばブルーベリーのような果実を思わせます。味わいは、序盤にモルトの甘味、中盤にホップの苦味、ラストにほのかなアルコール感と、味わいの変化を感じます。とろみのあるテクスチャーもまた魅惑ですね。
アルコール度数:9.0%
原材料:麦芽・ホップ
チョコレート、メープルのかかったパンケーキなど、甘い香りをずっしり感じます。口に含むと、リッチな甘味、クリーンな苦味、シルキーな舌触り、熟成味を感じられる余韻が残ります。やさしく包みこむような味わいは、「飲み干したくない!」という行き場のない葛藤が起きます。
アルコール度数:9.5%
原材料:麦芽・ホップ
香りは、チョコレート、ココアなどのカカオ感が強め。味わいは、ほんのり梅のような甘酸っぱさを感じられます。中盤にグっと引き締まった苦味、ラストにくる甘味と苦味の余韻がありますね。味の抑揚が強く、面白い一本!お酒好きにはたまりませんね。
アルコール度数:8.5%
原材料:麦芽・ホップ・大麦
まず見た目が他の年代圧倒的に違いますね。10年以上の熟成によってビール成分が析出し、やや濁りがかった見た目をしています。
香りは、レーズン、プルーンを思わせる圧倒的な熟成香…!甘味が強く、徐々に苦味がじわーっと盛り上がってきて骨格をつくる。喉奥にアタックしてくるアルコール感と甘味、苦味が複雑に絡み合った味わいが秀逸。とにかくゆっくりちびちび悠久の時を感じながら飲んでいただきたい一本です。
年末年始にぴったりなビール
いかがでしたか?
僕たちは、画一的な味ばかりの日本のビール市場にバラエティを提供することで、新しいビール文化をつくりたいと本気で考えています。少しでも「こんなビールがあるんだ!」「面白い!」「飲んでみたい!」と思っていただけたなら、ビールをつくる僕としてはとても嬉しいです。
年末年始はふだん中々会えない親戚や友人たちと会ったり、夫婦水入らずでゆったり過ごしたりすることが多くなる季節。そんな特別な日にふさわしいビール「ハレの日仙人」で、年末年始を過ごしてみてはいかがでしょうか?