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【終売】金柑IPA開発秘話:前編

【終売】金柑IPA開発秘話:前編

※こちらの記事の商品は2018年のものです。 集合写真 「福ビール」は、よなよなの里が年末年始限定で醸造しているビールのこと。2017年は「BLACK IPA」、2018年は「JUICY HOP IPA」を醸造し、みなさまにお届けしました。 来たる2019年の福ビールは「金柑IPA」。あーすぃー・ろくもん・まーむの3人が開発を担当したこのビールは、よなよなの里史上初めてのフルーツIPAなんです。今回は「金柑IPA」の発案者であり、造り手のひとり「ろくもん」が、金柑IPAの開発秘話や楽しみかたを皆様にお伝えします!

ヒントになったのは「年末年始」

六文 こんにちは、ろくもんです。2018年1月から構想を開始した「福ビール」、お披露目の日がとうとう近付いてきたんですね。なんだかソワソワします……。 今回の「福ビール」は、大晦日やお正月などのおめでたい日に、家族や仲間とゆっくり飲んでいるシーンを想像しながら開発しました。年末年始って、味が濃いものをみんなで食べる機会が多いんですよね。パンチの強い料理にも負けないビールにしようということで、「福ビール 2019」のビアスタイルは「IPA(※注1)」をベースに考えることになりました。 ※注1:ホップによる強烈な苦味と深いコクが特徴的なビアスタイル。

「金柑」だからこそ面白いビールに

金柑 「年末年始にゆっくり楽しむIPA」というヒントからひらめいたのが「金柑IPA」です。 というのもですね、僕の実家では、必ずお正月に金柑を食べるんですよ。 実家の金柑は冬に実がなるので、それをつまみながらゆっくり過ごすのがお正月の定番。僕にとっては馴染みが深いものだったんですよね。 金柑は、皮も含めてまるごと食べるフルーツです。皮や渋皮には特有の苦みがあるんですが、果実からは酸味やおだやかな甘みを見付けられるんですよ。 そのまま食べてもいろんな風味を楽しめるから、病みつきになっちゃうんです。これを用いてフルーツIPAを造ったら、一口で様々な味わいが楽しめる、複雑で面白いIPAに仕上がるんじゃないかな、と思いました。

金柑のキャラクターを際立たせるホップの香り

ホップ投入 金柑IPAで目指したのは、前述に加えて「複雑な苦味がありながらも飲みやすい味わい」。 ビアカクテルのように甘いフルーティーさを求めたわけではなく、あくまでもビールとしてまとまりがあり、発酵による複雑さを感じられるものになるよう設計しました。 金柑のキャラクターを際立たせるために、柑橘類のような香りがするホップ「mosaic」「citra」「cascade」「centennial」をふんだんに使用して、爽やかなシトラスアロマが出るようにしました。また、金柑の皮を思わせるボディ感を強調するために、「HBC431」という新種のホップも使用しています。 今回のIPAではホップのフルーティーな香りを際立たせたかったので、モルトの主張はかなり抑えめにしました。また、ビールの色に関しても、見た目から「金柑」らしくなるように、淡いオレンジ色になるよう調整しています。 タンク とはいえ、最終的な配合に行き着くまで、すごく時間がかかりまして……。 最初につくったレシピで試験醸造してみたら、イメージしていたものとはまったく違うビールが出来てしまったんです。なんだか水っぽくて、ホップが辛くて(※注2)、アルコール感と渋みが強く出てしまって……僕たちが目指していた「複雑な苦味がありながらも飲みやすい味わい」にはどうしても程遠かった。 皆で話し合いながら、レシピの改良を何度も重ねていったんです。 ※注2:ホップの成分を抽出しすぎて、舌先が実際にピリピリするようす。 =========================== ※こちらの記事の商品は2018年のものです。
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