「バクの初夢2026」はどんな味わい?新鋭ブルワーに突撃インタビュー!
私たちヤッホーブルーイングは、新しい年の訪れを祝う特別なクラフトビール「バクの初夢」を、毎年年末年始に販売しています。
バクの初夢のコンセプトは「新年が訪れるたび毎年変わり続ける、新しい『好き』に出会うビール」。
同じ製品名ながらも、作り手と味わいを毎年変えてつくる、ヤッホーブルーイングにとっても非常に特別なビールなのです。
さて、「バクの初夢2026」はどのような味わいなのでしょうか?
今回「バクの初夢2026」で、缶製品のデビュー戦を迎えた新鋭ブルワー「シーザー」にインタビューを実施しました。
バクの初夢2025について知りたい方はこちら👇
お正月限定ビール「バクの初夢2025」ブルワーが語る開発秘話
「バクの初夢2026」の基本情報

・内容量:350ml
・原材料:大麦麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、小麦麦芽、ホップ、みかんペースト、オレンジ果汁
・ビアスタイル:Fruit Pale Ale
・アルコール度数:5.5%
初めての実機ビールの開発
―簡単にシーザーの自己紹介をお願いします!
2023年入社の3年目で、ブルワー歴は2年目です。(※2025年10月現在)
普段の業務はビールの充填がメイン。充填機械の立ち上げから締め作業、充填ラインの洗浄方法の改善をやったりしています。
ビールのレシピ開発にも入らせてもらっていて、YONA YONA BEER WORKS限定で提供している「WORKS ALE」シリーズに3回携わりました。
直近だと、「とろとろぴかるえ~る」をブルワーのNBK・くんと一緒に担当しました。
クラフトビールの多様さや自由さを伝えるために、食感に着目したビールをつくりたいねってなって。「とろっとしたテクスチャ―」、「バナナ青りんご等のエステル香」、「パッションフルーツと桃」という掛け合わせで、フルーツスムージーのようなビールができました。
私自身、クラフトビールにハマったきっかけが「デュシャス・デ・ブルゴーニュ」というベルギーのビールで、私のつくるビールを飲んだ人にはとにかく驚いてほしいという気持ちで、いつもビールのレシピを考えています(笑)
ーいいですね(笑)ということは、今回の「バクの初夢2026」が初めての缶製品デビューってことですよね?
そうですそうです。「バクの初夢」のレシピ提案は公募制なんですけど、何か実機でビールをつくってみたいとなった時に、香味の幅が広く、自由な発想でレシピ提案ができる点がとても魅力的で、立候補してみようって思ったんですよね。
実機でのビール開発がパイロットと違う点は、規模が違うのはもちろん、普段は充填ユニットで働いているので、扱ったことがない機械での仕込みプロセスを設計するところかな。作業が自動化されていることが大きいかな。そもそもアンテナの立て方が全然違う。もちろん作業リストはあるんですけど、今回初めての実機製造にあたって、本当に色んな人にサポートしてもらいました。
「バクの初夢2026」はどんな味わい?

ー「バクの初夢」は、毎年味わいが変わる特別なビール。今回の「バクの初夢2026」は、みかんを使用したフルーツペールエールですね。今年の味わいを教えてください。
まず全体の味わいは、ホップによる柑橘を思わせる香りと、みかんやオレンジの香味がお互いに引き立て合って、奥行きのある柑橘香が感じられます。
飲み口はすっきりドライというよりは、ジューシーで飲みごたえがある感じ。「前略ゆず塩(※1)」のような、さっぱりとしたフルーツビールではなくて、ホップ由来のヘイジーっぽいジューシー感を目指しました。
ー初歩的な質問ですみません。フルーツビールと、フルーツペールエールって、そもそもなにが違うんでしょう。
フルーツを加えているものはすべてフルーツビールですが、明確にフルーツの香味を感じられるように設計されているものが多いです。
一方で、今回のフルーツペールエールはフルーツを加えているけれども、アメリカンペールエールらしくホップ香も感じられる味わいになるよう、投入するホップは多めの設計にしています。
マジ福袋に入るビールだって考えた時に、ビールが好きな人も、そうじゃない人も楽しめて、一緒に乾杯できるようなビールにしたいと思いました。それで、飲みやすくて、玄人向けすぎないビールをつくろうと思ったんですよね。

最近はジュースみたいに美味しいスムージーエールがあったり、ビールが苦手な人への間口は広がっていると思うんですけど、そこからビールらしいビールにはハマりづらいんじゃないかと思っています。
そこで、その橋渡しとなるようなビールとして、フルーツが入っていて飲みやすい口当たりだけど、ホップの香りの豊かさとか面白さを感じられるビールっていうのを考えてみました。
ーなるほど。その中でも、今回どうして「みかん」を選んだんですか?
そこで、その橋渡しとなるようなビールとして、フルーツが入っていて飲みやすい口当たりだけど、ホップの香りの豊かさとか面白さを感じられるビールっていうのを考えてみました。

まず、お正月っぽい素材を使いたいというのが出発点です。どういうシーンで飲んでもらいたいかな?と考えた時に、こたつでゆったり、みかんと同じようにヤッホーのビールを飲んでもらいたいなと思い、みかんを選んでみました。
あと、個人的にも使ったことがない素材を使ってみたいと思っていました。
記録に残っている限りでは、みかんを使ったビールがなかったんですよね。実はみかんの香りって、ビールの劣化香と似ている部分があるらしくて。なかなかこれまでみんな手を出しづらかったのかも知れないです(笑)
みかんの他に、今回はオレンジ果汁も加えています。
みかんは穏やかな甘みや香味が特徴で、ビールに入れるとぼやけた味わいになりやすいんです。そこで、オレンジ果汁で酸味を追加したり、ホップブレンドによる柑橘香を加え、みかんらしい香味は残しつつも、柑橘のフレッシュさや香味の複雑さが感じられるようにしました。
「バクの初夢2026」へのこだわり
難しかった柑橘香のバランス
今回とくに苦労したのは、香りのバランス。
フルーツの量が多すぎるとジュースぽくなっちゃうし、逆にフルーツが少ないと個性がなくなっちゃうしで、それぞれの添加量を微調整しながらつくりました。
ホップブレンドは柑橘香が引き立つものを選んで、みかんの香りとの相乗効果を狙っています。
ブレンドは10パターンくらい試したかな。甘めの柑橘っぽいブレンドを目指したんですけど、1つ増やすとグレープフルーツっぽくなったりして。最終的に4つのホップの組み合わせになりました。
ーペールエールといえば、「よなよなエール」や「クラフトザウルス ペールエール」もありますが、比較するとどう違うんでしょうか。
「よなよなエール」は、バランス型でモルトの香りがしっかりしているのに対して、「バクの初夢2026」は、モルトを引き立たせる目的はないので、比較的淡いモルトをメインで使用しました。
「軽井沢ビール クラフトザウルス ペールエール」はホップが際立っているんですが、「バクの初夢2026」とは目立たせたい味わいが違っていて。前者はグレープフルーツのような香味と苦み、後者は青いみかんのような香味で、苦みは控えめにしてるんです。

バクの初夢ではみかんペーストを使用しているんですが、投入タイミングもかなり難しくて、今回は発酵中と貯酒前の2パターンで実験をしました。結果として、貯酒に移行する直前のタイミングで投入することになりました。
開発担当者が語るバクの初夢2026への想い
「バクの初夢」はブルワーにとってどんなビール?
一言で言うと、チャレンジングなビール。
ビアスタイルの自由度が高いのと、期間限定ということで、尖ったビールになりやすいですね。ただ、飲用シーンとしてお正月の食中酒というイメージは大切にしています。
わたし個人としては、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で通販チームにお世話になって、時間をかけて「バクの初夢」の開発をしているのを近くで見ていたので、製造に来てからは「バクの初夢」のレシピ開発に携わりたいとウズウズしていました。
今回それが実現して、本当に思い出深いビールになりました!
ー「バクの初夢2026」を、これから飲むお客さんにひとこと!
とにかく癒されてほしいです!(笑)
「バクの初夢2026」を飲みながら、素敵なお正月をお過ごしください。
満足感・特別感のあるお正月にぴったりなビール「バクの初夢2026」

「バクの初夢2026」は、年末年始のハレの日の食卓に彩りを添える。そんなイメージでつくったビールです。ぜひつくり手のこだわりや、想いを感じながらお楽しみください。
ご紹介した「バクの初夢2026」は、よなよなの里にて、11月3日(月)10時より販売する「マジ福袋2026」や、一部流通店舗にて販売いたします。
(おわり)
※1:前略 好みなんて聞いてないぜSORRY セッション柚子エール~あら塩仕立て~
