よなよなエール公式サイト

「常に感情全だし」の眉村ちあきに訊く、恥とわたしのいい関係。

「常に感情全だし」の眉村ちあきに訊く、恥とわたしのいい関係。

「よなよなエール」のヤッホーブルーイングが企画し、2021年8月4日(水)から始まった、“地球では言えない”恥エピソードから個性を再発見するオンライン参加型企画「BAR恥さらし」


恥ずかしいと思うのは、人と違う「自分らしさ」が出てきた結果。恥はその人の「味」、つまりユニークな自分らしさなのではないか……。そんな気持ちで作った「BAR恥さらし」の“常連客”である、眉村ちあきさんに、恥についてのお話を聞きました。

眉村ちあき
弾き語りトラックメイカーアイドル。(株)会社じゃないもん代表取締役。高校卒業後、アイドル・グループを経て、2016年からソロ活動を開始。 2019年5月にTOY'S FACTORYからメジャーデビューし、初の全国流通盤『ぎっしり歯ぐき』から『日本元気女歌手』まで、3枚のアルバムをリリース。2021年7月7日に配信シングル「Individual」をリリース。

「弾き語りトラックメイカーアイドル」として自ら作詞・作曲をおこない、2020年末には初の武道館公演も成功させた眉村ちあきさん。最新アルバム『日本元気女歌手』のタイトルのとおり、天真爛漫を絵に描いたようなキャラクターでも人気を集めています。

そんな眉村さんが、絶対に恥ずかしいところを見せたくない相手とは?

基本、感情は全出し。でもそれが恥ずかしい相手もいて……

——眉村さんは、まわりの人の目が気になるタイプですか?

 人からどう思われるか、あんまり気にならないです。衣装で電車に乗れちゃうし、今日のワンピースも取らないほうがおしゃれじゃね? と思って、タグ付けっぱなしですし。


 でも「恥ずかしい!」って思うことは、しょっちゅうありますよ! 広瀬香美さんのアルバムでコラボさせていただいたことがあって、一緒にレコーディングをしたんです。そのとき、広瀬さんのチームに中学時代のバレー部の後輩がいたんですよ。わたし、ぜんぜん気づかなくて! 当時はイケイケのキャプテンで、「そこ! ボール拾って!」「またサーブミスじゃん! 何やってんの!」みたいに、今とはだいぶ違うキャラだったんです。でも、大先輩の広瀬さんを前にしたら、もちろんヘコヘコするじゃないですか。それを後輩に見られちゃってて……。


 1日の終わり、後輩にあいさつされたとき、めっちゃ恥ずかしかったです。そのあと先輩づらしたけど、もう遅かった。

——キャラの違う自分を見られちゃうのは恥ずかしいですね。

 

 仕事のときのほうが素の自分ですね。わたし、泣くのを我慢しないので、ステージで泣いちゃうこともあるんです。それも前は「恥ずかしい!」と思ってたけど、「全部さらけ出したほうが、お客さんは喜んでくれるんだな」と気づいてから平気になって。いまはもう、感情は全出しです。

 自分のチームの前でも同じですね。マネージャーも慣れっこだから、わたしが大泣きしてるのを、動画に撮ったりするんです。笑いながら! サイコパスじゃん!(笑)。でも、 そんな風に遠慮なく自分を出せてるのは、チームでわたしが一番年下だからかも。

 このあいだ、コンサート・イベント系の専門学校生が主催するライブイベントに出演したんです。音響から照明、演出まで学生さんたちが全部担当して、アーティストと一緒にライブをつくるってコンセプトで。学生さんたちはわからないことも多いから、プロで年上のわたしを頼ってくれるじゃないですか。頼りにしてくれていいよって感じで、ずっとニコニコしながら質問に答えてたんですけど、出番が近づくとだんだん余裕がなくなって、トイレでひとりになった瞬間に思いっきり泣いちゃいました。

 

——年下の前では、背伸びして自分を出すのを我慢していた。

 

 そうなんです。スタッフの前で泣くのは恥ずかしくないけど、年下の学生さんの前では「しっかりしなきゃ!」と思ってたんです。……現場では隠せてたはずだけど、もし学生さんがこの記事を読んだら、泣いてたのバレちゃいますね。恥ずかしい!(笑)

 

全部、曲にしたら昇華できちゃう

 

——恥ずかしいことがあったら、どうやって乗り越えてますか?

 

 嬉しいこともつらいことも、全部、曲にします。たとえば、わたしって忘れ物も多いし電車もしょっちゅう乗り間違えちゃうんですけど、そういう「生活ができない、恥ずかしい」って気持ちは『できない』って曲にしました。そんな風に曲にすると、昇華できるんですよ。

 

——昇華できる、とは?

 

 どんなに恥ずかしかったことも、イヤだったことも、曲にしてライブで歌ってファンが盛り上がると、サイコー!ってなるんです。曲ができた瞬間もめちゃくちゃ気持ちいいですし、さらにファンが褒めてくれる。おまけにお金ももらえるし、いやなことが全部サイコーになるんです。モヤモヤすることも、うれしいことも、全部曲にしちゃってますね。

 

——最高の循環ですね。眉村さんにとっての「曲にして昇華する」は、恥ずかしかったエピソードを人に話してネタにして、笑ってもらうことに近いのかもと思いました。

 

 ふだんの生活で恥ずかしいことがあっても、一緒にいる誰かがツッコミを入れてくれたり、笑ってくれたらネタになりますよね。リアクションがないと、恥ずかしいままで終わっちゃう。自分で「いい曲」と思ってるのに、リリースしてリアクションがないと、「いい曲じゃなかったのかも」って怖くなりますし。

 

 コロナでライブができなくなると、現場でファンから直接リアクションをもらうっていう、わたしにとって最大のエネルギー源がなくなって。一時期、めちゃくちゃ落ち込んじゃったんですよ。でも最近は、自分で自分をほめてテンションを上げる、自家発電の方法を覚えました(笑)。ファンにほめられるのには敵わないですけど。

 

——恥ずかしいエピソードを笑ってツッコんでくれるみたいに、いいリアクションを返してくれる相手を見つけるのも大事かもしれませんね。

 

 ほんとですね。ライブでは自分を全出ししてるんですけど、ネット上の発言は気をつけてます。

 SNSだと、ネガティブなリアクションも返ってくるじゃないですか。自分がネガティブな気持ちでワーッてツイートしてるときは、クソリプしてくる相手が敵に見えちゃう。本当はクソリプしてくる人もファンにしちゃえばいいのに、もったいない。だから、SNSにはあんまりネガティブなことを書かないほうがいいなと思って、我慢するようになりました。

 

 そのぶんライブで発散してたんですけど、それもなかなか難しくなったので、代わりに月1回くらいのラジオをはじめました。そこでネガティブなことも全部しゃべってます。1回500円払わないと聴けない仕組みなので、基本、ファンの人しかいないじゃないですか。音声だからニュアンスもちゃんと伝わるし、ファンのみんなが「そうだね、辛かったね」って聴いてくれる。ラジオがメンタルケアになってます。

 

——受け止めてくれる人がいれば、恥をかくのも怖くなくなるかもしれませんね。

 

 そうかもしれません。わたしのファンもスタッフも最高なので。……あ、でも、柚香 光(ゆづか・れい)さんには絶対に恥ずかしいところを見せたくないです。

 

——宝塚歌劇団の柚香 光さんですか? 男役のトップスターの。

 

 そうです! 最近、宝塚にハマってるんです。いま柚香さんの出てる公演も3ヶ月で4回観に行きました。柚香さんの顔がかっこよすぎて、もしもお会いできることになったら、絶対ヘンに思われたくない。そのときは、ワンピースのタグも切っていきます!(笑)

写真:藤原慶、取材・執筆:友光だんご、編集:ツドイ

▼眉村ちあき Information 

2021.08.04 配信リリース「悪役」
https://linkco.re/vnZaq6uR

2021.07.07 配信リリース「Individual」 
https://linkco.re/eU9EFTmM

2021.04/14 配信リリース
「この朝を生きている」(TBSテレビ「はやドキ!」テーマソング)
https://lnk.to/konoasawoikiteiru