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「冷蔵すれば大丈夫」は間違い? ビールの適切な保管・保存方法を解説!

「冷蔵すれば大丈夫」は間違い? ビールの適切な保管・保存方法を解説!

記事更新日:2022年11月21日

こんばんは。「よなよなエール」などのクラフトビールをつくっているビールメーカー・ヤッホーブルーイングのスタッフ「いっくん」です。

今年もやってきた、暑い夏。そして夏に欠かせないものといえばそう……ビールですよね!
仕事終わりに、お風呂上りに、よーく冷えたビールをぷしゅっと開けて。もろきゅうでもあれば最高です。

夏空とヘイジーIPA

夏はビールが一年で一番おいしい季節……といっても過言ではありませんが、実は、夏はビールにとって一年で一番危険な季節でもあるのです。

その理由は「温度」。ビールは熱に弱い飲み物なので、保管温度によっては、ビールの味が著しく劣化してしまう=おいしくなくなってしまうことがあるのです。今の時期、部屋にビールをそのまま置いていたら……危ないかもしれません。

この記事では、「ビールをおいしい状態で保つための保管方法」についてご紹介します。夏以外の季節にも使える「保管のコツ」つき。ぜひ家飲みの参考にしてくださいね。

もくじ

夏は室温の上昇に注意!

ビールは熱に弱い?「味が落ちる」メカニズムとは

冬は「冷えすぎ」に注意!

基本は「冷蔵保管」!ビールの最適な保存方法とは

ビールは「新鮮なうちに飲む」が大正解

夏は室温の上昇に注意!

夏の日差し

「夏といっても、家の中だったらそこまで気温も上がらないでしょ」

……と思うなかれ! 昨今では、家の中で熱中症になってしまう方もいるほど、室温が上がりやすくなっているんです(特に都市圏ではその傾向が高いといわれています※)。

日当たりなども影響しますが、日中きちんとカーテンを閉めていたにもかかわらず室温が35℃を超えてしまう……なんてことも。こういった環境にビールをそのまま置いておくと、劣化がどんどん進んでしまうのです。

※参考: 気象庁「ヒートアイランド現象の要因は何ですか?」

ビールは熱に弱い?「味が落ちる」メカニズムとは

通常どんなビールでも、劣化は緩やかに進みます(劣化が進み切っておいしくなくなった状態が、一般的には「賞味期限が切れた状態」というわけ)。ただ、ビールの温度が高くなると、劣化のスピードが早まってしまうのです。それは、熱によってビールの中に含まれている成分がどんどん変性してしまうから。

彩度の落ちたよなよなエール

保管温度は30℃を超えると、レッドーカード! 20℃前後のいわゆる「常温」は、保管温度としては問題ありません……※が、劣化を可能な限り抑える(緩やかにする)のであれば4~5℃、冷蔵庫に入れての保管がおすすめです。

※:「要冷蔵」などと表記されているビールは例外です。必ず冷蔵庫で保管してください!

また、ビールの原材料である「ホップ」の成分は特に熱の影響を受けやすいといわれていて、ホップを大量に使用したIPA(インディアペールエール)などのビールは、熱によるダメージを特に受けやすいビールだといえます。

冷蔵庫に入っているインドの青鬼

なのでもし、冷蔵庫のスペースに限りがあって一部のビールしか入れられない……という時は、IPAなどのビールを優先的に冷蔵庫に入れてあげてくださいね。他のビールは、家の中の比較的涼しい場所で保管するのをおすすめします。

冬は「冷えすぎ」に注意!

雪に埋まった水曜日のネコ・よなよなエール・インドの青鬼

「じゃあ冬場は部屋にそのまま置いておいてもいいの?」と思われた方もいるかもしれません。しかし、冬は冬で、ビールにとっては怖い季節でもあるのです。その理由が「寒冷混濁(かんれいこんだく)」

ビールを保管する温度が低すぎると、ビールに含まれているポリフェノール等が白濁し、風味も落ちる「寒冷混濁」という現象が起きてしまうのです。クラフトビールは、その色合いも魅力のひとつ。せっかくなら万全の状態で楽しみたいですよね。

私たちの醸造所がある長野県など寒冷地にお住いの方は、室内でもかなり冷える時がありますから、冬場でもしっかり冷蔵庫に保管するのがおすすめですよ! もちろんそれ以外の地域にお住いの方も、一定の温度で保管する意味で基本は「冷蔵庫保管」がおすすめです。

基本は「冷蔵保管」!
ビールの最適な保存方法とは

それでは、ビールをおいしく保つための「保管のコツ」をお伝えします!

ヤッホーブルーイングのクラフトビールでパンパンの冷蔵庫

繰り返しになりますが基本的には、どんなビールも冷蔵庫で保管するのがおすすめです。5℃くらいの温度で保管するのが最適なので、少し温度が高めに設定されている野菜室よりも、冷蔵室に置くのがいいですよ。

さらにその際、注意するポイントが三つあります。

冷蔵庫の中ならどこでも大丈夫、なわけではないのでご注意下さい!

ビールの保管 よくない例 ドアポケットに入れる

まず一つ目は、ドアポケット側に置かないこと。ドアポケットの方が冷蔵室の中でも温度が上がりやすいことに加え、開け閉めの振動を受けることで、味の変性が進んでしまうためです(ビールって意外と繊細なのです……)。

ビールの保管 良い例 上段に保管する

二つ目は、冷蔵室の上段に保管すること。冷気は下に溜まるので、下段に保管しておくとビールが冷えすぎたり、凍ったりすることがあります。そして三つめは、冷気の吹き出し口から離れたところにビールを置くこと。これも同様に、ビールの冷えすぎを防ぐためです。

ビールを保管する温度が低すぎると、先ほど紹介した寒冷混濁(ビールに含まれているポリフェノール等が白濁してしまう現象。風味も落ちます)が起きてしまう他、ビール自体が凍ってしまうことも。冷やしすぎには、ご注意を!

ビールは「新鮮なうちに飲む」が大正解

ここまでおすすめのビール保管方法をお伝えしてきましたが、最後に一つだけ「ビールをおいしく飲むコツ」をお伝えします。それは「ビールは新鮮なうちに飲む」というもの。基本的にビールはフレッシュな方がおいしいのです!

ワインのように熟成を楽しむお酒もありますが、ビールは圧倒的に出来立てがおいしいお酒※。だから、冷蔵庫に入れておくビールも「1か月くらいで飲み切れる量」にしておいて、全て飲んだら新しいビールを買いに行く……なんていうサイクルをつくるのがおすすめです。

※:例外として、「バーレーワイン」や「バレルエイジドビール」などの熟成を楽しめるビールもあります。が、大半のビールは出来立てがおいしいですよ。

Stone Enjoy By 04.20.22 Hazy IPA(ストーン エンジョイバイ 04.20.22 ヘイジーIPA)
アメリカのクラフトブルワリーの雄・Stone Brewingでは、「賞味期限37日間」(!)というコンセプトのIPAも開発していて、人気があります。(画像は alwayslovebeer.com より引用)

新しいビールを買って帰って冷蔵庫にしまう時、既にあったビールを手前に、新しく買ったビールを奥に収納する、なんていうのも初歩的ですが大事なポイント。

「ちょっと面倒くさい……」という方には、「ビールストッカー」というグッズもおすすめです。これを使えば、冷蔵庫の中でビールが古くなるのを防ぐことができますよ(「よなよなの里」での販売はしていませんが、amazonや楽天などの通販サイトなどで購入可能です)。

ビールストッカーでクラフトビールを保管

こちらがビールストッカー。上段と下段に分けてビールを収納できるグッズなのですが……

ビールストッカーからビールを取り出す

手前のビールを取ると、

ビールストッカーからビールを取り出す

ビールストッカーにクラフトビールを保管する

その後ろから次のビールが手前に転がってくるつくりになっています。これで古いビールが滞留しなくてすむというわけです! 写真のように、上にさらにものが置けるストッカーもあるので、よかったらぜひチェックしてみてくださいね。

ビールの保管方法まとめ

それでは「ビールの保管方法」についてのまとめです!

ビールの保管4か条!

①冷蔵で保管すべし
②ドアポケットには置かない
③冷蔵庫上段に置くべし
④冷気の吹き出し口付近には置かない

おいしいビールを、おいしいまま保つために。「保管方法」にもちょっと気を付けてもらえたら嬉しいです。それではみなさま、よいビールライフを!

(おわり)

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