バレルエイジドビール(Barrel aged beer)ってどんなビール?
バレルエイジドビール(Barrel aged beer)って?
バレルエイジドビールは、ビールをバレル(木樽 / Barrel)で熟成させる「バレルエイジ」という手法で造るビール。海外ではメジャーなスタイルですが、国内ではまだまだ認知度が低く、醸造しているブルワリーも限られています。
使用する木樽の種類はさまざま。バーボン樽、シェリー樽、ワイン樽など、別のお酒を熟成させていた木樽にビールを詰めてじっくり熟成させたものがバレルエイジドビールと呼ばれます。
中に詰めるビールのビアスタイルにも、特に縛りはありません。バレル×原酒となるビールの組み合わせだけでなく、熟成期間、ブレンド具合など、さまざまな要素が複雑に絡み合って生まれる、まさに「一期一会のビール」。
同じフレーバーには二度と出会えない、ロマンが詰まったビアスタイルです。
バレルエイジドビールってどんな色?どんな香味?
一言でいうなら、多種多様です。
先述した通り、中に詰めるビールも縛りなし、熟成に使用するバレルも縛りなし。バレルに詰める前のビールの色や香味、そして熟成に用いるバレルによって、色も味もまったく異なるものができあがります。
バーレイワインやインペリアルスタウト等のハイアルコールビールを詰めることもありますし、比較的低アルコールのビール(アンバーエール等)を詰めることもあります。サワービールやフルーツビールをバレルエイジするのも面白いんですよ。
色や味は多種多様ですが、バレルエイジドビールに共通しているのは、はっきりとバレルの香りを感じられることです。
バレルエイジによって生まれる香りは、樽に使用された木の香りだけではありません。シェリー樽で熟成させたらシェリー由来の香りが、バーボン樽で熟成させたらバーボン由来の香りが、ビールに移っていくのです。
いろんなお酒を熟成させてきた古樽であればあるほど、お酒由来の複雑なフレーバーが染み込んでいるもの。そんなバレルでビールを熟成させると、とても複雑でユニークなキャラクターのビールが出来上がるんですよ。
まさに可能性は無限大!
バレルでビールを熟成させるのって、とっても面白いんです!
バレルエイジドビールに合う一品
香味は仕込み前のビールやバレルによって異なるので、「バレルエイジドビールにはこれが合う!」とはなかなか伝えづらいですが……。
手前味噌ながら、私が秋冬限定で醸造している「バレルエイジドバーレイワイン」には、クリームブリュレがおすすめ。また、原酒であるバーレイワイン由来の完熟果実のような香りも楽しめるので、チェリーパイも合いますよ。
ハイアルコールのバレルエイジドビールを飲むときは、むしろ単体で飲んでいただいてもいいかもしれません。食後にちびちび飲むのもまた楽しいものです。
おすすめのバレルエイジドビール
バレルフカミダス
私たちが、毎年秋冬限定で販売しているバレルエイジドビール。年によって、中に詰めるビアスタイルも、樽の種類も違います。クラフトビールの奥深さを味わっていただけること、間違いなし。
バーレイワイン由来の完熟果実のような香りを基調としながらも、それぞれのバレルがもたらすカカオのような甘い香り、スモーキーでウッディーな香りが重層的に広がります。ひとくち口に含めば、とろりとした甘みとコクをお楽しみいただけますよ。
※現在は販売しておりません。毎年秋冬ごろ発売予定です。
Parabola
Firestone Walker Brewing Co. の「Parabola」は、やはりオススメしたい逸品。
インペリアルスタウトというハイアルコールビールを、バーボン樽に詰めて、1年以上じっくり熟成させたバレルエイジドインペリアルスタウトです。
アロマはまさに、最上級のチョコレートやコーヒーのよう。複雑なのにマシュマロのようなフカフカ感のある香りです。生チョコレートやバニラのような香味でありながら、くどい甘味は一切感じません。たとえるならば「カカオで真っ黒に染め上げたシルクのスカーフ」のようなビールです。
この週末は、バレルエイジドビールをゆったり飲みながら、バレルとビールの一期一会に思いを馳せてみませんか?
他のビールも知りたい方は
初心者におすすめなクラフトビールの記事やビアスタイルごとに詳しく解説している記事がまとまっているページもありますので、ぜひそちらもご覧ください。
この記事で、バレルエイジドビールの魅力が少しでも伝わったら嬉しいです。それではまた。
(おわり)