軽井沢は「ソーセージの町」?ビールとソーセージのおいしい関係
こんにちは。よなよなスタッフの「ともとも」です。
春になって、気温が上がってきましたね!いよいよビールの季節、到来です!
ビールのおつまみといえば、真っ先に何を思い浮かべますか?
枝豆もいいですが、腹ペコの時はやっぱり「ソーセージ」ですよね~!
「ブリンブリン」の食感、「ガブリ」とかぶりつくと溢れる肉汁……そこに美味しいビールがあれば、それだけでもう至福の時間です!!
実は私たちの地元・軽井沢は、ハムやソーセージの名店が多い「ソーセージの町」でもあるんです。昔から営業されている老舗はもちろん、開店早々人気を集める工房もあり、地元の方や観光客の方から愛されているんですよ。
今回は、軽井沢の名店の一つ「信州ハム軽井沢工房」さんにお邪魔して、「ドイツ国家認定食肉マイスター」の資格を持つ滝澤さんに「ビールとソーセージのおいしい関係」について伺ってきました。
この記事を読んだ後は、きっとソーセージとビールで一杯やりたくなること間違いなし。
ぜひ最後までご覧くださいね!
軽井沢とソーセージの関係
美しい自然と冷涼な気候のため、明治時代から国際的な避暑地として発展してきた軽井沢。そのため古くから洋食文化が根付いています。
日本でソーセージが普及しはじめたのは、大正時代後期。軽井沢では、昭和初期です。軽井沢でのソーセージの販売第一号店は、ドイツの軍人ヘルマン・ウォルシュケさんによる「ヘルマン」という肉屋さん。町内には実際にヘルマンさんにソーセージの作り方を教わったという老舗のお肉屋さんもあるんですよ。
その後、自らドイツに修行に行って、「食肉マイスター」の資格を取ってお店を継いだり、開業・就職する志のある人が出てきました。「信州ハム軽井沢工房」の滝澤さんもそのうちの一人です。
滝澤さんは本格的にドイツで「食肉加工マイスター養成施設」に通いました。実技では牛肉の解体、ソーセージの作成などを、座学ではドイツの税法や、教育学などを学んだそうです。修行期間は、一般的にドイツ人は3年間修行し、ゲゼレ(職人)という資格を取得したのち、お店で5年間働くことが必要です。
滝澤さんは「信州ハム軽井沢工房」で、ドイツの伝統スタイルのソーセージを継承しつつ、独自にアレンジをしながら、個性的な味や香りの、バラエティに富んだ美味しいソーセージを作っています。
ソーセージにはどんな種類があるの?
ドイツでのソーセージの歴史は古く、何百年も続いていると言われています。室温でも肉類を長期保存するために生み出した食品で、なんと1,500種類以上あるとか。ドイツでは、各地方にサイズや味、調理法が異なるご当地ソーセージがたくさんあるそうですよ。日本でソーセージと言えば、一般的には「フランクフルト」「ウィンナー」のように大きさによって種類を分けている程度ですから、ドイツのソーセージのバラエティの多さ、奥深さは想像を絶しますね。
ドイツのソーセージは大きく分けて、①加熱ソーセージ、②ドライソーセージ、③調理ソーセージの3つのカテゴリーがあります。それぞれの美味しい食べ方で、お気に入りのソーセージを見つけてみてくださいね!
次の章から、各カテゴリーの中で代表的なソーセージを紹介していきます。
①加熱ソーセージ
ちなみに、ドイツでは「ソーセージ」のことを「ヴルスト」と言います。
フランクフルト:日本でもおなじみ。長さ15~20㎝の細長いソーセージ。ボイルして食べるのが美味しい。「信州ハム軽井沢工房」には、「白樺スモークフランク」という製品があります。白樺の木でスモークをかけていています。お子さまも大好きな味!
ヴァイスヴルスト:ミュンヘンのものが有名。白いソーセージ。仔牛肉と豚の脂身にハーブや香辛料を混ぜて作ったもの。白さの秘密は、生クリームや卵白などがお肉と一緒に混ぜ込まれているから。皮をむいて食べます。
ボックヴルスト:ベルリン発祥の粗びきソーセージ。「ボックビール」と一緒に食べるのがおすすめ。塩、胡椒、パプリカでの味付けがメイン。濃厚な「ボックビール」に負けないスパイス感が特徴。
ビアヴルスト:ドイツではほとんどのお肉屋さんで製造しているソーセージ。使用するスパイスはそれぞれのお店のオリジナルで、個性豊か。マイスターの腕の見せどころなんです。名前はビールに合うことに由来。スライスしてから、さっと焼いて食べるのが美味しい。
「信州ハム軽井沢工房」には、「ゲッティンゲルブルスト」という製品があります。ドイツのゲッティンゲン地方で作られているビアヴルスト。グリーンペッパーをメインにした香辛料を入れていて、爽やかな辛さが特徴。
フライッシュケーゼ:豚肉や仔牛肉を脂身、玉ねぎ、香辛料などと練り合わせ、腸詰ではなくローフ型(ミートローフを作るときに使う、長方形の深い焼き型)で焼いて作るタイプ。厚切りにして軽く焼くと美味しい。
ビアシンケン:塩漬けにした豚肉と脂身を混ぜ合わせて作ります。生地には豚肉がゴロゴロ入っていて食感も楽しい!ドイツではパンにのせて食べることが多いそうですよ。
フライッシュヴルスト:大型のソーセージ。細かくひいた肉片と脂身にさまざまなスパイスを混ぜ込んで作ります。薄くスライスしてサラダに混ぜるのが最高。
ブラートヴルスト:焼いて食べるソーセージ。有名なものに、テューリンガー、ニュルンベルガーなどがあります。皮はパリッと、中はジューシー!
②ドライソーセージ
低温で乾燥、熟成もしくは燻製をかけたもの。スプレッドタイプとハードタイプがあります。
有名なものは、「メットブルスト」(脂肪分を含まない豚ひき肉「Mett」を使用)や、「ドイツサラミ」(イタリアのものよりも太め。ハーブ入りなど、バリエーションが豊富)ですね。
「信州ハム軽井沢工房」では、「白樺サラミ」という製品があります。カマンベールチーズの熟成にも使われる白カビを、サラミにまとわせた個性的な味わいです。白カビ由来のほろ苦さが、大人のおつまみ向き。
③調理ソーセージ
生肉ではなく、調理した内臓や肉などを腸詰にして作るソーセージ。日持ちはしないため、冷蔵保存が必要。代表的なものは、レバーヴルスト、ブルートヴルストなど。
「信州ハム軽井沢工房」でも、「レバーヴルスト」を作っています。滝澤さんのこだわりは、「食感」と「色味」。レバーの臭みを取るための下処理を丁寧にした後、豚肉をまずゆでてからミンチにしたものと混ぜています。まずゆでることで、他のソーセージとは違う食感を出しているのだそう。
また、レバーや豚肉を細かくする際の温度は、40℃前後にするのもこだわり。温度が高すぎると色味が変わってしまい、低すぎると食感が変わってしまいます。
ソーセージとビールをペアリングするなら
ドイツだけでも1,500種類以上あるというソーセージ。クラフトビールは100種類以上あるので、ソーセージとクラフトビールの組み合わせは、無限大ですね!
使用しているスパイスの種類にもよるので、一概には言えませんが、一般的に合うビアスタイルをあげてみました。参考にしてください。
ソーセージの種類 | 合うビアスタイル |
フランクフルト | ピルスナー・ペールエール |
ヴァイスブルスト | ヴァイツェン・ベルジャンホワイト |
ボックヴルスト | ボック、バーレイワイン |
ビアヴルスト | ペールエール、ヴァイツェン |
ドイツサラミ | ラオホ、ポーター |
レバーヴルスト | スタウト、アンバーエール |
軽井沢に来たら、軽井沢限定ビールとソーセージを!
いかがでしたか?
ビールもソーセージもかなり種類がたくさんありますが、どのソーセージにどんなビールを合わせようかな……と考えるのも、とっても楽しいですね!
軽井沢に来たら、軽井沢限定の「
軽井沢ビール クラフトザウルス
」とソーセージのペアリングを、ぜひ味わってくださいね!お土産にも最高です!
こちらの記事には、実際に「信州ハム軽井沢工房」さんのソーセージを使ったビールとのペアリングや、簡単アレンジレシピも掲載しています。ぜひご覧ください。
尚、「信州ハム軽井沢工房」さんで作られた製品は、信州ハム軽井沢工房本店、軽井沢駅店(しなの屋内)、MIDORI長野店(長野駅)でしか販売されていません。ご注意下さい!
こちらのマークが目印です。
取材協力:信州ハム(株)軽井沢工房
ホームページ: https://www.shinshuham.co.jp/atelier
今回の記事につきまして、日経新聞でご紹介頂きました。よかったらこちらもご覧くださいね。
「ヤッホー、信州ハムとのペアリングを考案」(日本経済新聞電子版/2021年3月22日)
参考サイト
今回の記事制作にあたって、こちらのサイトを参考にさせていただきました。
ドイツを味わい尽くそう!ソーセージ&ハム事典
ヘルマン・ウォルシュケ ウィキペディア(Wikipedia)
(おわり)