“IPA”が世界中のビールファンに愛されるようになるまで。IPAの誕生~現在までの変遷と歴史を解説します | よなよなエール公式ウェブサイト「よなよなの里」
“IPA”が世界中のビールファンに愛されるようになるまで。IPAの誕生~現在までの変遷と歴史を解説します

“IPA”が世界中のビールファンに愛されるようになるまで。IPAの誕生~現在までの変遷と歴史を解説します

皆様、IPA飲んでますか?
よなよなスタッフの「いっくん」です。

世界中で大流行しているビアスタイルの「IPA(インディア・ペール・エール)」。「ヘイジーIPA」や「ブリュットIPA」などの派生スタイルも人気ですが……なぜこんなに人気なのでしょうか?

この記事では「IPAの歴史」を紐解きながら、今日のIPA人気は何がきっかけだったのか?についてご紹介していきます。IPA好きの方、必見です。

IPAの歴史:
誕生のきっかけは、インドへの輸出

IPAが生まれたのは18世紀のイギリス。当時のイギリスではペールエールスタイルのビールが流行していました。植民地であったインドにもペールエールを輸出していましたが、長距離輸送の過程でビールの品質が劣化すること、さらにはビールが腐敗してしまうことが問題視されていたのです。

この問題を解決すべく、抗菌作用のあるホップ※を大量に添加し、アルコール度数を高めたビアスタイルが誕生しました。これがインディア・ペール・エール(IPA)スタイルの起源と言われています。

※…ビールの香りや苦味をつくる、ビールの原材料の一つ。詳しくはこちらのよみものをご覧ください。

このスタイルは現在、「イングリッシュ・インディア・ペール・エール(EIPA)」と分類されています。欧州産のホップは香りが穏やかなものが多かったため、現在主流の「アメリカンIPA」と比べると、ホップの香りは控え目です。

このような経緯で誕生したIPAですが、世界的に流行するのはもう少し後になります。

IPAの歴史:
カスケード(Cascade)の登場で生まれた「アメリカンIPA」

IPAが再び注目され始めたのは、1970年代から始まったと言われている、アメリカン・クラフトビールの黎明時代から。

大手ビール会社(バドワイザー、ミラー、クアーズ等)に対してのカウンターカルチャーとして生まれたのがアメリカン・クラフトビールの源流です。ライトビールやピルスナースタイルとはまったく違う味わいを持ったビールとして、IPAが一躍脚光を浴びるようになりました。

アメリカンホップの代表種「カスケード(Cascade)」

その後、アメリカンIPAの方向性を決定づけることが起こります。アメリカン・クラフトビールを代表するホップ品種、カスケード(Cascade)の登場です。カスケードの特徴である華やかな柑橘系のアロマは、アメリカのビール醸造家を魅了。アメリカンIPAスタイルの方向性(≒華やかなホップの香り!)が確立されたのでした。

(……私たちも、もれなくカスケードの虜。「よなよなエール」などをはじめとする多くのビールにカスケードを使用しています。グレープフルーツのような香りがたまらないのです)

IPAの歴史:
「強い」派生スタイルの誕生

IPAが定番のビアスタイルとして親しまれるようになった結果、派生系も生まれていきました。まず誕生したのが、ダブルIPA(W-IPA、インペリアルIPAとも)トリプルIPAといった、「ストロング」タイプのIPAです。アルコール度数・苦味がIPAの更に上を行くスタイルとして人気を博しました。

IPAの歴史:
ドライホップ技術の進歩が、新しいIPAを生み出す!

ビールの醸造工程「ドライホップ」

そこから年月が過ぎ、今度はIPAに飲みやすさを求めた「セッションIPA」が登場します。華やかなホップアロマはそのままに、アルコール度数や苦味が抑えられて飲みやすくなったスタイルです。

それまでは「ホップの量を増やす=香りも強くなるが、苦味も強くなる」というセオリーがあったのですが、ドライホップ(発酵中のビールにホップを漬け込むことで、ホップの香りを引き出す手法)技術の向上によって、ホップの苦味を抑えながらも、強烈なアロマをIPAに与える事が可能になったのです。ドライホップ、すごい!

※ドライホップについて詳しく知りたい方は、こちらのよみものをご覧ください。

IPAの歴史:
どんどん広がるIPAの世界

ヘイジーIPA イメージ画像

21世紀になってもIPAの進化は止まらず、次々と新しいスタイルが生まれていきました。
特に注目されたのが、「ニューイングランドスタイルIPA(NE-IPA)」。アメリカのニューイングランド地方が発祥と言われるIPAです。

一般的なIPA以上の強いアロマが特徴で、味わいはとてもジューシー。また、大量のドライホップによる濁りも特徴の一つで、「ヘイジーIPA(Hazy IPA)」ともいわれています。

ヘイジーIPAの人気はとどまるところを知らず、2021年現在、日本のクラフトビールシーンで最も人気のあるビアスタイルといっても過言ではありません。

Brut IPA イメージ画像

ヘイジーIPA(NE-IPA)の流行から数年後、アメリカ西海岸のブルワー達の間で流行しだしたのがBrut IPA。ビールの中に残る糖分を限りなく少なくすることで、キレのある味わいにしているのが特徴のIPAです。

ヘイジーIPAほど熱狂的・爆発的な流行にはなりませんでしたが、一定のビールマニア層の間では話題となって、現在でも根強い人気を持っています。

※ヘイジーIPA、Brut IPAなどの派生IPAスタイルはこちらのよみものでも解説しています。

IPAが世界中で流行したきっかけは……

こだわりのビール(ヤッホーブルーイング)

現在も世界中で愛されているビアスタイル、IPA。
その歴史を紐解いてみると、「カスケード(Cascade)の誕生」と「ドライホップ技術の向上」が流行の一因であったことが分かりました。ホップ生産者や、ビール醸造家の努力が今日のIPAブームを生み出していたんですね……!

私たちも「インドの青鬼」や「軽井沢ビール クラフトザウルス ブリュットIPA」、「軽井沢高原ビール2021年限定 セッションIPA」など、様々なIPAをつくっています。これからももっと多くの方にクラフトビールの魅力を届けるべく、IPAはもちろん、様々なビールを作り続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それではまた!

番外編:「ビールの歴史」をもっと知りたい方のために

「IPAの歴史はよく分かったけど、ビールそのものの歴史について知りたい!」という方のためのよみものもご用意しております。よかったらこちらもご覧くださいませ!

(おわり)

この記事を書いた人
いっくん

よなよな編集部所属のよなよなスタッフ。どんなに忙しくても、週一のサウナと月一のキャンプを欠かさない。

この人の記事をもっと見る
1つ星21