クラフトビールの尖ったラインナップがすごい! 中軽井沢で創業90年のキリマン酒店に行ってみた。
みなさん、こんにちは。よなよなスタッフの「ともとも」です。
ここ数年、私たちの醸造所がある長野県軽井沢・御代田町(みよたまち)エリアに移住する方が増えていて、魅力的なお店がどんどんオープンしています。
そんな中、昔から変わらず軽井沢に店舗を構える老舗もあるんです!
今回はそんな老舗の一つ、中軽井沢で昭和4年(1929年)創業、三代目の店主・土屋さんご夫妻と四代目の息子さんが経営する「キリマン酒店」をご紹介します。クラフトビールをはじめ、長野県産のワインや日本酒のラインナップにこだわりのあるお店です。よなよなスタッフも、たびたび利用させていただいているんですよ。
軽井沢で「ちょっと変わったクラフトビールがほしい」「せっかくなら長野県産のワインやお酒でお客様をおもてなししたい」というときにはぴったりのお店。スーパーにはなかなかない品揃えなので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!
作り手の想いやこだわりを、自分の言葉で伝えたい
中軽井沢駅前通りを北に進み、国道18号線を右へ。中軽井沢駅からは徒歩約5分のところにある、「キリマン酒店」。「よなよなエール」や軽井沢限定の「 軽井沢ビール クラフトザウルス 」などのよなよなの里のクラフトビールをはじめ、「箕面ブルーイング」(大阪府)や、首都圏のビールファンの間では入手困難なビールとして有名な「UCHU BREWING」(山梨県)などのクラフトビールも棚に並びます。
また店内を見渡すと目に飛び込んでくる、ウォークインのワインセラー。長野県には、ブドウ栽培からはじめる熱意のあるワイナリーがたくさんあり、国内外の評価も高まっています。
ワインセラーに所狭しと並ぶワインは、約95%が長野県産。長野県産のワインは「NAGANO WINE」としてブランド化されていて、現在も発展し続けています。すごい品揃え!
さらに日本酒や焼酎、ウィスキーも。国産を中心に、土屋さんが「気に入った」ものがたくさん棚に並びます。しかもスーパーではあまり見かけないお酒がいっぱい。テンション上がります~!
これはお酒の仕入れにかなりのこだわりがありそうですよね! そこで土屋さんに仕入れる時に心がけていることや、こだわりについて伺ってみました。
ともとも:
土屋さん、こんにちは。突然ですが、すごい品ぞろえですね! 圧倒されました。
土屋さん:
ありがとうございます。私たちは、作り手から製品への思いやこだわりが伝わるものを仕入れるようにしています。それが一番価値があることだと思っているんです。そのためには、作り手と信頼関係を築くことが大事。作り手が、信頼関係のある酒屋だけに卸してくれるようになることも多いんです。
ともとも:
なるほど。「製品への思いやこだわり」に価値観を置いてくださっていて、クラフトビールメーカーとしてはとてもありがたいです!
土屋さん:
それから、自分が気に入ったお酒を仕入れたいし、人と違うものを売りたいという思いもありますね。
ともとも:
大型スーパーでは売っていない、専門店ならではの製品を置きたいという考えからも、土屋さんの強いこだわりを感じます。
土屋さん:
実は、自分の中でお酒の仕入れの考え方が変わってきたのはここ10年ぐらいのことなんです。昔はクラフトビールというものもなかったし、大手のビールを仕入れていれば売上は安泰だったんですよね。
ともとも:
昔はビールの種類もそれほど多くなかったですしね。
土屋さん:
はい。でも少しずつお客様の志向が変化してきて、製品や作り手の個性が大事にされるようになってきました。それに長野県には、美味しいクラフトビールやワイン、日本酒があるから、その美味しさを伝えながら売りたいと思い、この10年ぐらいの間でラインナップのメインを長野県産のお酒に変えたんですよ。
ともとも:
そうだったんですか! 歴史のある酒屋さんが、時代に合わせてお店のラインナップを変えるのは大変なことですよね。それに、よなよなの里の苦しい時代(地ビールブームが崩壊したころ)も見てこられた店主が、製品をカットせずにずっと置いて下さっていたことにも、本当に感謝です。
土屋さん:
さらに最近はコロナ禍で「ステイホーム」になり、家でお酒や食事を楽しみたい方も増えていますから、長野県産のお酒や手に入りにくいお酒を選ぶ人が多くなったと思います。お酒にお金をかける人も増えましたしね。本数をたくさん買うのではなく、良いお酒を少量ずつ買う人が増えた気がします。
ともとも:
確かに…… 外食の機会が減ってさびしいので、自宅で少しだけ良いお酒や食事を楽しみたいという気持ち、分かりますね。
土屋さん:
なので私たちが一番大切にしていることは、「作り手の思いやこだわり」をお客様に丁寧に伝えること。そのために、常にお酒のアンテナを張っていますよ!
ともとも:
だからこそこの品ぞろえなんですね! これからもまだまだ知られていない美味しいお酒が店頭に並ぶのを、楽しみにしています。
店主からみた「クラフトビールのおもしろさ」とは、その多様性!
ともとも:
初めて飲んだクラフトビールは「よなよなエール」だと伺ったのですが……!
土屋さん:
そうそう。当時はラガービールばかりで、クラフトビールなどほとんど売っていなかった時代でした。だから「よなよなエール」を最初に飲んだときは「マズイ! 何だこのビールは!?」と思ってしまいました(笑)
でも少しずつ味わいながら飲むスタイルを覚えたら、「こういう楽しみ方もあるのか」と目から鱗が落ちました。
ともとも:
クラフトビールを初めて飲んだ時は、衝撃を受けますよね。今は気に入っていただいているようで、よかったです。
ちなみに、クラフトビールの面白さや魅力はどんなところだと思いますか?
土屋さん:
やはり味わいのバリエーションの多さ。これにつきますよね。作り手の思いが伝わる、ちょっと変わった味わいの、個性があるクラフトビールに魅力を感じます。
ともとも:
今はさまざまなブルワリーがあって、試してみるのも楽しいですね!
そういえば、軽井沢限定の「
クラフトザウルス ペールエール
」を飲んだことがありますか?
土屋さん:
もちろん! いやー美味しいよね。とにかくホップの香りとモルトの甘みのバランスがとてもいい!
土屋さんの奥様:
わたしは「クラフトザウルス ブリュットIPA」が好き! ホップの苦みと後味のドライさがいいんですよね~
ともとも:
よかった! ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
昔は避暑客のために生活必需品を売るお店だった! 昭和~現代の中軽井沢の歴史
ともとも:
キリマン酒店の創業は昭和4年頃と伺いました。ということは、創業90年ですか! 歴史を感じますね。
土屋さん:
実は、当初は酒屋ではなく味噌や醤油など生活必需品を売るお店でした。主に軽井沢の別荘に避暑にきた方々のために、夏の間に必要な生活用品をそろえていたんです。使用人の方がよく買い出しにいらっしゃったと聞いています。
ともとも:
もともと酒屋さんじゃなかったのは初めて知りました。
土屋さん:
その後、昭和20年ごろになってお酒を販売するようになったんですよ。そして昭和40年ごろからは、信越本線の特急が停車していたので、中軽井沢駅周辺は草津温泉方面への玄関口として、とても賑わっていました。うちの向かいには「枡屋本店(現在は廃業)」という老舗の旅館があって、夕食後には宿泊客が浴衣姿で、下駄をカランコロンと鳴らしながらお酒を買いに来ていたんですよ。
ともとも:
とても風情がありますね。夕景にひびく下駄の音、すてき!
土屋さん:
ちなみに中軽井沢は観光客も多かったけれど、定住される方も多いエリア。だから手頃な価格で食べられる、個性的なお店が点在していました。それは今も変わらない中軽井沢の魅力なんですよ。
ともとも:
なるほど。そういえば国道沿いだけではなく一本入った道にも、手頃で個性的なお店を見かけますね。今度訪ねてみようと思います。ありがとうございました!
軽井沢で国産のクラフトビールや長野県産のお酒を手に入れるなら、キリマン酒店へ!
取材している間にもどんどんお客様が入ってきて、土屋さんや奥様に相談しながら選んだ一本を手に、嬉しそうに帰って行かれます。素敵な酒屋さんだな~としみじみ思いました。
土屋さんと相談しながら選べば、お気に入りの一本がきっと見つかります。また、作り手の思いやこだわりを店主から伺えれば、それを話のタネに会話が弾み、ご家族や友人・知人ときっと楽しい時間をお過ごしいただけますよ! ぜひ行ってみてくださいね。
それではまた~
取材協力:キリマン酒店
電話番号:0267-45-5327
営業時間:9:30~19:00まで
定休日:日曜日
駐車場:4台
インスタグラム:
https://www.instagram.com/kiriman_saketen/
ホームページ:
https://www.kiriman.jp/