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【バレルフカミダス】『インペリアルスタウト』後編:ブルワーのこだわり

【バレルフカミダス】『インペリアルスタウト』後編:ブルワーのこだわり

こんばんは、がみたです。
今回は「バレルフカミダス インペリアルスタウト」について、開発秘話後編をお届けします!(前編はこちらからどうぞ!

「ビール×バレル」だから楽しい、難しい

ビールにバレルの香りが馴染んできたのは、仕込みからおよそ半年後でした。でも、もーりーやなおGと「もう少し熟成させたいね」という話になり、追加で半年、つまり1年近く寝かせてみたんですよ。

そしたら、今度はバレルのキャラクターが馴染んだことで、想定していたものとはちょっと違う味わいになっちゃって!当初想定していた「洋酒をたっぷり使った、カカオ純度の高いチョコレートケーキ」というイメージに比べると、ボディが弱くて、甘みよりも苦味が強いビールが生まれたんです。

「ビール×バレルの掛け合わせ」ゆえに、何が生まれるかわからない。これがまさに、バレルエイジドビールの難しいところ、そして楽しい・面白いところなわけですが。

でもやっぱり、僕が造りたいビールのイメージは変わらないし、変えられない。そこで今回は「出来上がったビールをブレンドすることを前提に、もう1仕込みする」という手法を取りました。1仕込み目のビールと2仕込み目のビールをブレンドして、理想の味わいを作り出すことにしたんです。

ブレンドによって生まれた「複雑さ」

2仕込み目のインペリアルスタウトでは、1仕込み目のレシピを改良。1仕込み目の原酒よりも「甘みが強く・苦味が弱く」なるように設計しました。オーツ麦をかなり増やすことでとろみをつけ、口当たりがまろやかに、やわらかくなるようにしています。そして、完成した原酒を5つのジャパニーズウイスキーバレルに詰め、今度はおよそ半年間熟成させたんです。

結果的に「1年半」熟成させた1仕込み目と、「半年」熟成させた2仕込み目。ブレンドするまでどうなるかわからなくて、ずっとドキドキしていました(笑)。1年半熟成させた1仕込み目はかなり重厚な味わいになっていて、そのぶん飲みづらくなってしまっていたので。これと2仕込み目をブレンドしたとき、どんな味わいになるんだ?飲みやすくなるのか?!って。

でも、香りも味わいもまったく違う2つをブレンドしたら、結果的に、想像していた通りの「バレルフカミダス インペリアルスタウト」が完成したんです……!

しかも、ブレンドすることでさらに深みが増し、本来のビールらしさも感じられる、コンプレックスな味わいに仕上がりました。初めてブレンド版をテイスティングしたときは、本当に嬉しかったし、同時にホッとしましたね……。

お手元に届いたら、ぜひ、まずは香りを楽しんでみてください。ウイスキーボンボンやカカオ純度の高い高級チョコレートを連想させるアロマが、ふんわりと広がります。
その後ゆっくり口に含むと、バレルのウッド香をヒントに、チョコレートケーキ、若干の完熟チェリー、カラメルなどの様々な要素が複雑に混ざり合い、最後には鼻腔をふわっと抜けていきます。

言うなれば、まさに「大人の飲み物」。冬の寒い日に暖炉で暖まりながら、少人数で、ゆったりと飲んでいただきたいビールに仕上がりました。皆様からどういった反応をいただけるのか、今からとても楽しみです!

クリーミーなスイーツと合わせて

ビールの個性がかなり強いので、味が濃い料理・個性が強い料理と合わせたいところ。ペアリングとして僕がオススメしたいのは「クリーミーなスイーツ」ですね。クリームチーズやクレームブリュレはいかがでしょうか。スタウトの焦げ感をまろやかにしてくれるので、きっと合うと思います。

でも、デザートスタウトのような感覚で、ビール単体で飲んでいただいても良いと思います!ちょうど「15℃」にすると、チョコレート香がさらに際立つので、ビール本来のフレーバーをお楽しみいただけますよ。

「造ったことのないものを造る」のは、やっぱりすごく面白かったです!特にバレルエイジドビールは、熟成してみないとどんなビールが出来上がるかが分からないので、本当にワクワクしました。「バレルフカミダス インペリアルスタウト」は、僕たちブルワーの遊び心が詰まったビールになったんじゃないかなと思います。挑戦できて良かったなあ。

「バレルフカミダス」のさらなる挑戦、その第一歩として完成した「バレルフカミダス インペリアルスタウト」。約2年間の僕たちのワクワクが、皆様にも伝わればうれしいです!ぜひ、感想も聞かせてくださいね。


撮影協力:丸山珈琲 ハルニレテラス店