出荷前のビールはこうして「検査」する!
こんばんは、いたっちです。 造ったビールをいますぐ出荷したい?・・・ちょっと待った―!
醸造所の日常をゆるーくお届けしている「醸造所日誌」。
第9回目は、毎日けっして欠かさない、出荷前のビール検査についてです!
欠かさぬ検査は「3種類」
安全でおいしいビールをお届けするために、目を光らせているのは「麦酒品質改方」という部署。
検査機器を使ってビールの中の微生物検査をしたり、製品の安全はもちろんのこと、
味の安定を保証して「このビールは出荷していいよ」と最終承認を下しています。
麦酒品質改方で検査することは、大きく分けて3つ。
(1)微生物検査(2)物理化学検査(3)香味検査 です。それぞれ詳しくご紹介していきましょう!
「微生物検査」
微生物検査では、缶に詰めたビールの中に有害菌がいないかを調べています。
ビールにとっての「有害菌」は、ビールを酸っぱくさせてしまう乳酸菌や、ビールを混濁させてしまう酵母のこと。
人体に入れても無問題なんですが、ビールに入ってしまうとちょっと厄介な菌たちを指します。
最近では、ビール中に有害な菌がいるかいないかを遺伝子レベルで判定できるスゴイ機械を導入しました!
物理化学検査
物理化学検査では、ビールのスペックを検査しています。
具体的な検査項目は、アルコール濃度、炭酸ガスのボリューム、苦味度(IBU)、色度(EBC)等です。
毎回製品ができるごとに検査をして、すべての値が基準内に収まっているかを確認しています。
▼ちょっとした補足▼
炭酸ガスのボリューム:炭酸ガスがどれだけ入っているか。数字が大きいとピリピリします。
苦味度:苦味の強さ。数字が大きいほど苦いです。
色度:色の濃さ。数字が大きいほど色が濃いです。
香味検査
最後におこなうのは香味検査。
第2回でもご紹介した「テイスティング」
です。
ビールの「香り」や「コク」といった香味の部分は、物理化学検査では調べることができない部分。
苦味度や色度を数値として知ることはできますが、最後の最後、ビールを出荷できるかどうかを決めているのは「人間」なんですよ。
定められた人数以上でテイスティングを行い、総合的に評価をしたうえで、出荷可否を判定しています。
上記の検査を経て、麦酒品質改方がデータを総合的に判断し、出荷OKとなったものをみなさまのもとへお届けしています。
これからも安全安心なビールを届けられるよう、頑張ります!
これからもこんな感じで、ゆるく醸造所の日常をお届けしていきます。
醸造所のことで気になることがありましたら、ぜひリクエストをお送りくださいね。
ではまた!いたっちでした。