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ビールづくりでよく聞く「酵母」って何?

ビールづくりでよく聞く「酵母」って何?

がみた

ビール造りはこの子がいないと成り立たないんです!

醸造所の日常をゆるーくお届けしている「醸造所日誌」。
第10回目は、ビールづくりの陰の担い手!「酵母」についてをお届けします!

そもそも「酵母」って何?


酵母は微生物の一種。
ビールの素である「麦汁」を「ビール」にするという、超重要任務を担っている生物なのです。

酵母の役割は大きく2つ!

(1)麦汁に含まれる糖分を、アルコールと炭酸ガスに分解する
(2)発酵の副産物として「エステル」という揮発性の香り成分を生み出す

飲んでいて心地のいいアルコール感と、しゅわしゅわの炭酸ガスがついているのは、ひとえに酵母のおかげ。そして、ビールの香りを生み出しているのは、実はモルトとホップだけではない!ということですね。

ビアスタイルごとに異なる種類を

ビール酵母は、大きく2つに分類できます。
ラガービールで使用される「ラガー酵母」、エールビールで使用される「エール酵母」の2種類です。


ラガー酵母(下面発酵酵母)
5~11℃でよく働きます。発酵期間はやや長め。
すっきり、ドライな味のビールをつくるのが得意です。
エール酵母(上面発酵酵母)
15~25℃でよく働きます。発酵期間は比較的短め。
風味豊か、香り高いビールをつくるのが得意です。

さらに!よなよなの里では、ビアスタイル(ビールの種類)によって酵母を使い分けています。
一言でエール酵母といっても性質は多種多様。
使用する酵母の種類によって、ビールの味わいは全く異なってくるんです!


アメリカンエールイースト
よなよなエール、インドの青鬼、東京ブラックに使用。
エステル生成が穏やかなため、モルトやホップのキャラクターを立たせたいときに使える。
用途の広い酵母!
ベルジャンウィートイースト
水曜日のネコに使用。
エステルだけでなく、フェノール類の香りも出すベルギー由来の酵母。
青りんご、バブルガム、プラムのような香り。
ベルジャンアードネスイースト
僕ビール、君ビール。に使用。
フルーツのような香りと、複雑なスパイシーな香りを出す。
こちらもベルギー由来の酵母。
※ 発酵のさせ方、発酵温度、酵母の量によっても、ビールの香りは大きく変化します!

あなたがすきなビールの「香り」は、もしかしたら酵母が生み出したものかも。
モルトやホップだけが「香り」のもとじゃない!ということ、お分かりいただけましたか?

酵母が使えるのは一度きり、じゃない!

また、使い終わった酵母はタンクから回収して、酵母専用のタンクで保管しています。
ヤッホーブルーイングでは、酵母を一度きりで使い捨てるのではなく、何回か繰り返し使っているんです。
投入を繰り返せば繰り返すほど、酵母たちもビールによく馴染んでくれるようになるんですよ!

もちろん、酵母タンクで保管した酵母を再度使用するまえには、必ず「酵母検査」を行います。
1g中にどれぐらいの数の酵母がいるのか、元気に活動している酵母の数はどれぐらいか、などを計測しています。

検査結果をもとに、最適な酵母濃度になるように量を調整してから、ビールに投入しています。

こちらが発酵中の酵母。1度に約100kgの酵母を投入することもあります。
1gあたりの酵母の数は約10~30億匹なので、100kgということは、約100兆~300兆匹の酵母がビールの中にいるということ!!う~ん・・・なかなか想像できないですね・・・。

肉眼では見えているようで見えていない酵母たち、今日もせかせか働いてくれているのです。
いつか見えるようになるといいな。

おいしいビールができますように!

これからもゆるーく醸造所の日常をお届けします。
醸造所のことで気になることがありましたら、ぜひリクエストをお送りくださいね。

ではまたお会いしましょう!がみたでした。

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