【区界で飲む】第13回:高校の先生と過ごす大人の夏休み編 / 江戸川区・江東区・墨田区 | よなよなエール定期宅配 – よなよなの里
区界で飲む

【区界で飲む】第13回:高校の先生と過ごす大人の夏休み編 / 江戸川区・江東区・墨田区

みんも

今回は念願のファンのお客様といっしょの区界。しかも高校の先生達です。歴史的な発見もありヤッホーブルーイング区界史に残る回となりました。

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区界。それは東京を23区に分ける、目に見えない線。
区と区の界には、目に見えない線がある。
人と人の界にも、目に見えない壁がある。
界を越えて心をつなげ、乾杯をしよう。

こんばんは。よなよなの里、衣装・小道具係みんもです。
今回一緒に区界で乾杯してくれたのは、千葉県の私立高校の先生たち。お客様からの応募でご一緒することになったのは、「区界で飲む」の連載が始まって以来初めてのことです。しかも、先生達自ら、よなよなエールを持参してくれるという気合の入れよう。

今回の区界で一緒に歩く先生達

このロケをしたのは8月の終わりのとても暑い日でした。夏の終わりに会う、高校の先生ということだけで、なぜかドキドキしながら待っていたら、気さくな3人組が現われました。

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■とにかく陽気な三人組。

午前中に夏期講習をこなしてから、お昼も食べずに駆けつけてきてくれたそうで、夏休みといっても授業があるのだ、という現実に驚愕。

高校の先生達との区界ということで「散歩の途中で、是非、授業をしてほしい。」というお願いをしたところ気持ちよく快諾してくださいました。コースは東大島~亀戸エリアの3kmちょっとです。

スタートの都営新宿線「東大島」駅は区界駅

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■正面が「東大島駅」。

先生達との待ち合わせは、都営新宿線「東大島」駅でした。この駅は、千葉県に隣接する江戸川区と、江東区の境界となる旧中川をまたいだ川の上にあります。地図をみると、ちょうどホームの真ん中を区界が通っています。東大島駅の大島口に出ると江東区、東大島駅の小松川口にでると江戸川区。

駅が複数の区にまたがっている場合、所在地は駅長室がある場所になるのだそうで、東大島駅の住所は「東京都江東区大島9丁目3−14」。大島口の方に駅長室がありました。駅をおりて、ホームの中をうろうろすると、下りホームの真ん中に区界の印を見つけることができました。

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■ホームの真ん中に境界がわかる看板
駅の構内に区の境界がわかる表記があるなんて思っていなかったので大興奮。東京23区の境界ウォークラリーがあったとしたら、絶対にゴール地点、もしくは、スタート地点にしたい駅ですね。

区界史上初、スタート地点から乾杯!

「区界で乾杯ですので、川を挟んで乾杯しましょうか?」という、私の面倒な提案にもいやな顔一つせず、笑顔で応じてくれた先生方。きっと、生徒からの面倒な悩み事や、反発や、難癖にも笑顔で応じてくれているのでしょう。

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■左(江東区)側で国語科の佐々木先生と髙木先生。右(江戸川区)側で本川先生。歩き出す前に乾杯という区界史に残る乾杯。

あまりにも遠距離乾杯だったので「乾杯~~~」と絶叫してくれた3人。夏の暑い日の午後に、昼から「よなよなエール」を飲む喜びに満ち溢れておりました。

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■平日の午後、川べりで飲むよなよなエールは最高!

この旧中川の川べりは、緑が多く、清掃が行き届いており、今回の区界はここにて終了にして飲み会にいこうか?感がただよっちゃうくらい、気持ちの良い場所でした。

さて、乾杯したあとの先生達の話題の中心は、江東区にゆかりの深い作家の話。田河水泡(のらくろの作者)は小林秀雄の妹と結婚したのだよね、などという、そういえば歴史の教科書の後ろの方に書いてあったような、聞いたことのある名前を聞きながら「誰だっけ…」などと踏み込んで聞けず、気持ちは授業についていけなくなった、高校時代へと戻っていきました。

1時間目 社会科の授業-行徳の塩-

東大島駅から歩いて5分のところに、中川船番所資料館があります。ここでは社会科の本川先生に社会の授業をしてもらう予定でした。

中川船番所は、徳川四代将軍「家綱」の時代に造られたもの。船を使って江戸へ物資を運ぶための水路(小名木川)の入り口としてここに番所が造られたそうです。この水路を使って、運ばれたもの中で、特に有名なのが下総国行徳産の塩。江戸時代、行徳から浦安にかけて、関東地方で一番大きな製塩が行なわれていたのだそうです。

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■まさかの休館日

しかし、当日、中川船番資料館はまさかの休館日。乾杯して機嫌よく散歩を始めたとたん、青菜に塩です。今回の社会授業では「どこかに訪問する予定を組んだら、まずは、その場所が開いているかどうか調べましょう。」という非常に大切な学びを得ました。社会とはそういうものかもしれない。

休み時間

中川船番所資料館からふらふらと歩きながら亀戸を目指すと、小さな公園にたどり着きました。

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■東大島神社の隣にある公園。滑り台2つで作ったブランコ。

滑り台とブランコを組み合わせた遊具の効率化に歓声をあげる3人。思わず遊んでみたくなっちゃって、陽気に遊ぶ先生3人。笑顔が本物です。普段学生に接していると、気持ちが若々しいのだなということをひしひしと感じた瞬間でした。

2時間目 国語科の授業-伊藤佐千夫-

東大島と亀戸の間にある、大島四丁目団地は巨大団地として有名。一度は見てみたかったのですが、その団地の中に「野菊の墓」の作者として有名な、伊藤佐千夫の碑があるとのこと。そこを目指すこととなりました。テンションがあがる国語科の先生達。

でも、私は「野菊の墓」を読んだことがありませんとは言えずに、Google先生に「伊藤佐千夫」と質問をして携帯を片手に見ながら、先生達の後を黙ってついていきました。

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■大島四丁目団地、時計の台座が碑となっていました。

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「朝起きてまだ飯前のしばらくを 小庭に出でて春の土踏む」
大正二年七月三十日
伊藤佐千夫この地に没す

とのこと。

先生達によると、「野菊の墓」の作者として有名な伊藤佐千夫は、実写主義で名をはせた正岡子規の弟子。佐千夫の詩は万葉調の近代化した詩が特徴なんだそうです。錦糸町の駅前で牛を飼って牛乳の販売製造をしていたけれども農夫も詩を楽しむことができるのだと実践し、和歌を大衆化させたのだとか。

彼の詩は情景がイメージしやすく、和歌についてなんの素養もない私でも、詠めるのではないかと思ってしまいそうになりましたが、朝ごはんの前に春の土を踏むような心の余裕をもつ生活はできていないので、やっぱり後世に名を遺す人なんだなぁとぼんやりと思いました。

さて、ここから北上、亀戸駅を通過して、亀戸の象徴に向かいます!

3時間目 最後は神頼みの亀戸天神

最後にやってきたのは菅原道真をまつる亀戸天神。藤まつり、梅まつり、菊まつりとお祭りがあり、「花の天神様」として知られていますが、「学問の神様」としても知られています。

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■亀戸天神にある御神牛は、頭をなでると頭がよくなるという受験生に人気のスポット

先生達が生徒の分まで頭をなでております。御利益がありますように…。

社会科の本川先生から、亀戸天神の中には中江兆民の碑があるという話を受けて、中江兆民の痕跡を探しましたが、亀戸天神の中には大量の碑があって、江東区になじみの深い芭蕉の句やら、3歩あるけば何かの碑にあたるといった状態。

そしてやっと見つかった中江兆民の碑がコチラ。

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■境内の隅に、中江兆民の碑

中江兆民は東洋のルソーと呼ばれ、フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーを日本へ紹介して自由民権運動の理論的指導者となった人物。明治34年に兆民がなくなった後、その功績をたたえるために、板垣退助や大隈重信らによって建てられた碑だそうです。

そして記念碑の写真に先生達の手には、コップの用意。もう飲みたいということですよね。最後の乾杯場所、つまりは区界まであと少し。

江東区と墨田区で乾杯

墨田区と江東区の区界は、冒頭の中川船番所で話題となった小名木川につながる水路の上を通っています。亀戸天神から歩くこと10分ちょっと。江東区の北端である、柳島橋で乾杯することにしました。

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■江東区と墨田区に架かる柳島橋。目の前には、東京スカイツリーが見えます。

橋の上で区界の痕跡をさがしたところ、墨田区と江東区の界を表す標識を見つけました。しかも年代物!

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■1947年に東京35区から23区に統合されたとき消滅した本所区と城東区の区標。

本所区は墨田区の旧地名。城東区は江東区の旧地名の一部。それぞれ今でもこのエリアを呼ぶときには使われている呼称ですが、その標識が橋の真ん中に埋め込まれていたのです。

「これは!!!」こここそが区界。川の真ん中に区界が通っている橋の上には、境界がわかるものがなかなか見当たらないことが多いのですが、ここはとてもレア。個人的に大興奮です。

では…興奮のまま乾杯を!

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■墨田区と江東区の区界で乾杯!

たった、3kmの道のりとはいえ行ったりきたり、各々それなりの疲労がたまっていました。さらに、歩き終えた喜び、さらに、平日の夕方に飲む「よなよなエール」の美味しさに、陽気で明るい先生達もしばし無言になりました。

美味しいよなよなエールと疲労は陽気な先生達も黙らせる。

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■よなよなエール各々無言で味わいながら、ぼんやりと川面を眺める先生達

乾杯後訪れた一瞬の静寂。

並んで川を眺めていた先生達の背中が無言で何かを語っていました。通常授業が始まったら平日の昼間からビールを飲むこともなくなります。

「夏休みが終わる」ということに関して生徒には生徒の気持ちがありますが、先生達には先生達の気持ちがあるのかもしれない。なんてことをぼんやりと考えて目を泳がせていたら、水路の岸に、ある生き物がいることに気づきました。

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■カワセミとゴイサギの若鳥が見つめあっていました。

「あれ?なんか青い鳥がいる!」「カワセミだ!」「なんだその横に大きいのもいるぞ!」一気に沸き立つ一同。東京の水路で見かけた、カワセミとゴイサギ。夏の思い出の確かな1ページとなりました。

区界を越えて乾杯すると、いつものよなよなエールがより美味しくなります。そして、いつもよりも少しだけ、相手と心と心を通わすことができます。ぜひ、あなたも区界を探して、誰かと乾杯してはいかがでしょうか?

きっと普段は見えない何かが見えてくるはずです。

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みんも

みんも
散歩と工作が大好き。高低差と古墳とガードレールをみると興奮します。
日常で必要なものは、なんでも自分で作れると信じているので望遠鏡から被り物までいつも何か作っています。


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